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<相場の見方、歩き方>価格転嫁で業績回復―物価上昇を次につなげる策に期待
2022-11-07 08:01:00.0
―グロースかバリューか、視点を変えるとほかの選択肢も―
株式市場でも物色の動向が、グロース株とバリュー株の間で毎日のようにさまよっています。10月21日以降、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での金利引き上げ幅の抑制を報じて以来、それまで盛んに見られたバリュー株物色はいったん止まり、代わってグロース株へのシフトが短期的に進みました。それが今また逆流しつつあるようです。
エイチツーオーリテイリング<8242>やANAホールディングス<9202>など、ごく短期的な調整局面に入っていた「経済再開期待銘柄」が徐々に年初来高値を更新するようになっています。今週末にはりそなホールディングス<8308>を中心に地方銀行株にも物色の輪が広がりつつあります。
東京市場は決算発表シーズンの真っただ中にあります。目下のところ、日本冶金工<5480>、合同製鉄<5410>、神鋼商事<8075>、阪和興業<8078>など、販売価格の引き上げによって収益を大幅に好転させた銘柄が大きく上昇しています。
象徴的なのが大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>です。コロナ危機で航空機向けの需要が急減したチタン製錬は、今度は逆にロシアのウクライナ侵攻による経済制裁で供給元が閉ざされ、世界的に需給が引き締まって収益が好転。23年3月期の第2四半期は、売上高が196億円(前年同期比67.9%増)、営業利益が20億円の黒字(前年同期は10億円の赤字)と大幅に改善しました。
23年3月期の通期業績見通しも引き上げており、大阪チタニウムテクノロジーズの価格は週末に大幅高となりました。
マクロ経済的にはダメージの大きなインフレでも、これが企業レベルになるとインフレによる物価上昇メリットが出てくるケースが急増しています。あくまでそれらは価格面での好転であって、この先に需要拡大による販売数量の回復が続けて起こらないと、いつまでも好調な時期は続きません。
販売価格面で恩恵を得た企業が、それを次期以降の収益拡大にいかにつなげてゆくのか、その点がここからは問われます。価格上昇のメリットが得られる商社セクターと、サイゼリヤ<7581>、サックスバーHD<9990>、ハブ<3030>など業績好調の消費関連株に同時に注目しています。
*おことわり この記事は、2022年11月6日にYahoo!ファイナンスで有料配信されたものです。
提供:モーニングスター社




