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<相場の見方、歩き方>価格転嫁で業績回復―物価上昇を次につなげる策に期待
2022-11-07 08:00:00.0
―スタグフレーションに直面する政策運営のむずかしさを実感―
鈴木一之です。11月相場が始まりました。依然として変動性の大きな相場展開が続いています。
「文化の日」の祝日をはさんでマーケットの雰囲気はかなり変わってきました。最大の変化はFRBによる政策金利の引き上げです。
現地11月2日、FRB(米連邦準備制度理事会)はFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催し0.75%の利上げを決定しました。6月以降、4回続けて大幅な利上げを決めたことになります。FF(フェデラルファンド)レートの誘導目標はあっという間に4%に達し、14年ぶりの高い水準となります。
注目を集めたのは毎回のごとく、会合後のパウエル議長の記者会見です。その席上でパウエル議長は12月会合における政策金利の引き上げ幅の圧縮を匂わせながらも、今後も継続的に政策金利の引き上げを実施することをはっきりと示しました。
その上で最終的な政策金利の到達点も、これまで考えられていた以上に高いレベルまで引き上げる可能性を示しました。政策金利の引き上げが実際に世の中の物価安定に寄与するにはかなりの時間がかかることにも言及し、利上げの打ち止めはまだ当分先になることも言い添えました。
これを受けて米国のマーケットは長期金利が再び上昇含みとなりました。10年物国債金利はまたもや4.1%台に乗せ、来週以降はいよいよ新しい高値にトライする可能性も出てきました。
米国ばかりではありません。今週はイギリスも0.75%の利上げを決定しました。イギリスの利上げは8回連続で、引き上げ幅も1989年10月以来の大きさということです。
FRBが0.75%の利上げを連発しているために誰もがその行動に慣れてしまっているところもありますが、実際には異常に大きな引き上げ幅であることにあらためて気づかされます。イギリスの消費者物価指数は10%台の高い伸びが続いており、年金生活者を中心に庶民のふところを直撃しています。
物価高に対処するために生活の水準を切り下げる動きもイギリスでは広がっているようです。寒さの厳しい冬の到来を前にして、なによりもエネルギー価格の上昇が人々の行動を抑制させています。将来における景気後退に対する恐れが、かつてないほどに強まっています。
しかし弱者救済のための景気対策を打ち出すわけにもいかず、金融を緩和することももちろんできません。スタグフレーションに直面している現在の政策運営のむずかしさを日増しに実感するようになっています。
*おことわり この記事は、2022年11月6日にYahoo!ファイナンスで有料配信されたものです。
提供:モーニングスター社




