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<相場の見方、歩き方>2022年の激流も終盤、しっかりと流れについて行くべし
2022-10-31 08:00:00.0
―ますます高まる米国株式市場への連動性―
鈴木一之です。株式市場の性格が大きく変化しつつあります。きっかけとなったのはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙の観測記事です。
前週末(現地21日)、WSJ紙はFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策に関して「次の11月FOMC(米連邦公開市場委員会)において12月以降の政策金利の引き上げ縮小を検討し始める」と報じました。
これは普通の観測記事ではありません。FRB内部からのリークに近い、確信に満ちた内容です。これによって米国の株式市場は大きく上昇に転じ、日本のマーケットの動きが米国に連動するようになりました。
それと同時にグロース株が息を吹き返しています。かつて東証マザーズ市場に上場していた小型成長株が、20年秋の株価のピーク形成から一貫して下落し、今年5月に底入れしました。そこから現在のプライム市場、グロース市場の区分を問わず、小型株が次々と反転・上昇を強めています。
象徴的な動きがBASE<4477>です。EC導入の支援サービスを行う企業としてコロナ禍で急成長しましたが、いつの間にか激烈な競争に巻き込まれて業績面では苦戦を強いられてきました。それが久しぶりに商いを伴って上昇に向かっています。
同じように、レーザーテック<6920>の孤軍奮闘が目立っていた半導体関連株が、点から面に物色の広がりが見られるようになりました。反対に、投資資金の逃げ込み先として堅調な上昇基調にあった地方銀行株が急落しました。
すぐさまリスクオンというわけにはいきませんが、株式市場の物色の方向を決定するファクターが変化したことは確かです。
インフレが抑え込まれる兆しは見えていません。米国景気の基調は依然として強く、7−9月期GDP(国内総生産)速報値は事前予想の前期比年率2.3%増に対して2.6%増という結果でした。3四半期ぶりのプラスですが、輸入は2年ぶりに前期比マイナスに落ち込みました。
中古住宅の販売件数は8カ月連続の前月比マイナスとなりました。金利の上昇は住宅ローン金利を引き上げ、米国の住宅需要は鎮静化に向かっています。
―マーケットの変化は企業業績にも現れはじめた―
日本でも物価の上昇は一段と顕著です。10月の東京都・消費者物価指数は前年比3.4%の上昇でした。1982年6月以来、40年ぶりの上昇幅です(消費税による上昇を除く)。政策金利の引き上げを緩和する状況にはないように見えますが、FRBは一歩踏み込んだ決断に動く可能性があります。
マーケットの変化は企業業績にも現れています。
まず米国では、無敵と見られていた「GAFAM」が相次いで決算を発表しましたが、いずれも市場の期待を裏切る厳しい結果となりました。リーマン危機以後、まるで見られなかった光景です。
中でもグーグルを中核とするアルファベットは、四半期の売上高が690億ドル(前年同期比比6%増)、純利益が139億ドル(同27%減)と市場予想を大きく下回りました。マイクロソフトも7−9月期の売上高が501億ドル(同11%増)にとどまり、四半期の純利益は175億ドル(同14%減)に落ち込みました。
アルファベットの売上高はこの2年間で最低の伸びにとどまり、「YouTube」の広告も初めて減少しました。マイクロソフトも在庫切れになるほど売れ行き好調が続いたパソコンの伸びが一巡した影響が大きいと言えます。
それでもネット広告の根幹である個人データのプライバシー規制が影響している点は無視できません。最も厳しかったメタ(旧・フェイスブック)は7−9月期の純利益が43億ドル(同52%減)と4四半期連続の減益を記録しています。
NASDAQよりもNYダウ工業株に流れが移っています。キャタピラー、ホーム・デポ、メルク、マクドナルドの株価は堅調で市場を支えています。日本で小型成長株が浮上する流れとは逆ですが、これまで優勢だったごく一部の銘柄が不利となり、反対に不利だった銘柄に流れが来るという点では同じです。
今週末はハロウィン、2022年の激流も終盤に入りました。金利はすべてに優先します。その金利(実勢金利)が今年5月、8月に続いて、三たび水準を変えようとしています。流れに遅れずしっかりとついてゆきたいものです。アドバンテスト<6857>、日本航空電子<6807>、北越工業<6364>、カーブスHD<7085>、BEENOS<3328>に注目しています。
*おことわり この記事は、2022年10月30日にYahoo!ファイナンスで有料配信されたものです。
提供:モーニングスター社




