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<相場の見方、歩き方>投資のチャンスが近づいている―波乱を繰り返し、底堅さを増す株式市場(1)
2022-10-17 08:00:00.0
―波乱を呼ぶ?3連休を通過した株式市場―
鈴木一之です。長い一週間でした。3連休のたびに株式市場は荒れ模様になっているような気がします。
9月末の3連休中に、イギリスではトラス政権が発表した減税政策によってポンドが急落しました。トリプル安に見舞われる「トラス・ショック」は今も世界のマーケットの懸念材料となっています。
今週の3連休の焦点はやはり米国のインフレの動向でした。前週末7日の雇用統計の発表に始まり、現地13日発表の9月の消費者物価指数で終わった一週間。アドバンスト・マイクロ・デバイセズの決算で始まり、TSMC(台湾積体電路製造)の決算で終わった半導体株を巡る週でもあります。
マーケットの中心はやはり物価動向に関する話題です。9月の米国CPI(消費者物価指数)の伸びを巡ってきわめて神経質な展開となりました。発表目前の12日と13日は、日本の株式市場でもほとんど商いがない状態となり、極端に見送りムードの強い展開でした。お盆休みや海外勢がクリスマス休暇の時でさえ、これほど見送り機運の強まったことはないように思います。
実際には、米国の労働省より発表された9月・米国の消CPIは、前年比8.2%の上昇と判明しました。6月の9.1%上昇からは3カ月続けて伸び率はダウンしていますが、引き続き水準としては40年ぶりの高い伸びとなっています。エコノミストの事前予想は8.1%の上昇だったのでそのレベルも上回りました。
統計データをそのまま受け止めれば、米国のインフレは鎮静化に向かっているとはとても言えないような状況にありますが、それにもかかわらずこの結果を受けて米国の株式市場は大きく上昇しました。前日まで6日続落していたNASDAQ総合指数は232高ポイントと、急反発して7日ぶりに上昇しました。
売られるところまで売られてしまえば、最後に悪材料が出てくることで材料出尽くしとなり、そこから相場は反転に向かうことが多々あります。「相場は相場に聞け」と言われる所以です。今回のCPIの発表で、すぐさま株価下落と長期金利の上昇が反転に向かう、と言い切ることは実にむずかしいのですが、最初のリバウンド局面が訪れたと見ることは十分に可能ではないかと思います。
目の前にちらついていた最悪の懸念材料が通過して、そこからまず最初の買い戻しが入り短期反発に向かいます。しばらくするとまた売り叩かれるものですが、それを何度か繰り返しているうちに「もはやこれ以上は売り叩くことはできない」というコンセンサスが市場内に広がって、それを繰り返しているうちに買い向かう人々の数が増えてきます。自律的な反発は重要です。
相場の動きに振り回される状況はまだ何度か続くでしょうが、大底を入れるケースというのはいつだってそういうものです。手がかり材料が仮にあっても(なくても)、変化は一度には起こりません。段階を経て、状況は少しずつ変わってゆくものです。(2)へつづく
*おことわり この記事は、2022年10月16日にYahoo!ファイナンスで有料配信されたものです。
提供:モーニングスター社




