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国内市況ニュース

<相場の見方、歩き方>最高益更新、高配当利回り―逆行高銘柄にみられる共通点がヒントに(1)

2022-09-12 08:00:00.0

―金融引き締め強化の波は米国から欧州に波及―

 鈴木一之です。今週(5−9日)は株式市場が大きく動きました。

 値動きが大きかったというだけではありません。相場全体が質的に変わってきたように感じられます。それが特に印象的だったのが9月7日に東京市場が全面安に陥った時です。文章に置き換えるのはなかなかむずかしいのですが、そのあたりの感触を書いてみましょう。

 この日、日経平均株価は大きく下落しました。終値では196円安でしたが、午前中の段階でザラ場中の安値は一時は358円安に達しました。

 この日は寄り付き前の時点で、株価は軟調に推移するとの見方がほとんどでした。下げの背景は複数の要因にまたがります。

 ひとつはレイバーデーの3連休が明けた6日のNY株式市場が続落したことです。ナスダック総合指数は86ポイント安を記録し7日間も続落していました。2016年11月に記録した9日続落以来のことです。

 ジャクソンホールにおけるパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演がいまだに尾を引いており、米国は経済状況を犠牲にしてでもインフレ抑制を最優先の政策課題に置いたことがはっきりと示されました。米国の長期金利は再び上昇基調を鮮明にしており、30年物国債利回りは6日に3.50%まで上昇し、今年の最高値を塗り替えています。

 9月2日に発表された米8月・雇用統計では、非農業雇用者数の伸びが前月比31.5万人増と判明し、引き続き米国の景気の現状は非常に強いことが明らかとなりました。「米国にとって良いニュースは、現在のマーケットに対して悪いニュース」といったところです。

 金利は今後も上昇せざるを得ないとの見方が市場を支配しており、為替市場ではドル高円安が一段と進行しています。7日も1ドル=144円台まで円安が進みました。1998年以来、24年ぶりの円安です。それでも日経平均は下げ続けています。円安が日本の株価の上昇要因には機能しなくなっています。

 今週、欧州では9月8日にECB(欧州中央銀行)定例理事会が開催され、今回の引き締め局面でも初めてとなる0.75%の利上げが決定されした。

 各国中央銀行の政策金利の引き上げラッシュで、世界的なリセッション懸念が一段と増幅される結果となりました。現在の株安はその点を恐れていると見られます。

 欧州も利上げにもかかわらずユーロ安が進行しています。ロシアからの天然ガス供給が滞っており、エネルギー危機の瀬戸際に立たされていることが響いています。ノルドストリームの定期補修を理由としたガス供給停止の再開が延期されることとなりました。物価上昇は欧州全域に及んでおり、7月の英国の消費者物価指数は前年同月比10.1%の上昇を記録したばかりです。(2)へつづく

 *おことわり この記事は、2022年9月11日にYahoo!ファイナンスで有料配信されたものです。

提供:モーニングスター社