youtube fund_beginer fund_search fund_look

国内市況ニュース

<相場の見方、歩き方>市場に起きた3つの大きな変化、それでも基本は個々の企業の経営戦略(2)

2022-09-05 08:01:00.0

(1)からつづく

 2つ目の変化は為替市場です。上記の金融政策への見方とも連動しますが、ドル円相場は24年ぶりに1ドル=140円台に乗せ、こちらも新たな水準を模索しています。

 FRBは今後も引き締め政策を採ってゆくのは疑いの余地ないところです。それに対して日銀は異次元の金融緩和を続け、金利を低いままに抑え込んでいます。この日米金利差の拡大が円売り・ドル買いを勢いづかせています。

 円安は日本の経済を押し上げる原動力となりますが、反対に輸入価格を押し上げて企業と個人の所得を減じる効果も合わせ持っています。24年間の間に海外生産も大幅に増え、かつてほどの景気刺激効果は持っておりません。

 8月で終了した3月決算企業の第1四半期(22年4−6月)決算を見ても、円安による増益だけで株価が評価されることはさほど見られませんでした。それよりもはるかに、コロナ危機、ロシアへの経済制裁、経済安保、物価高という難局に経営者がどう対処するのか、経営手腕そのものが問われるケースが増えています。

 円安メリットという他力本願は通用しない状況が出来あがりつつあります。企業はどのような方向性を打ち出してゆくのか。その点がここからは問われます。

 そして3つ目の変化は、トヨタ自動車<7203>と日本製鉄<5401>の価格交渉です。

 トヨタと日本製鉄は半年ごとに鋼材の納入価格を交渉します。今回の価格交渉で納入価格の引き上げ幅はトン当たり4万円になると報道で伝えられました。従来の上限は2万円だったので、それが一気に2倍に拡大しました。過去最大の引き上げ幅となります。

 トヨタと日本製鉄の価格交渉は「頂上決戦」と呼ばれ、それに続くメーカー間の交渉の大きな指標となります。それが過去最大の引き上げ幅で決着したということは、あとに続く素材メーカーの交渉スタンスを一段と強固なものにするでしょう。

 食品メーカーや日用品メーカーからは毎日のように値上げ表明がなされており、いまや値上げのニュースに接しない日はないほどです。「値上げラッシュの秋」が目の前に迫っています。家計も企業業績も苦しくなる一方ですが、物価上昇はまさに始まったばかりというのが率直な印象です。

 価格の変化は企業業績と経営スタンスに直結します。日本もデフレ脱却どころか、インフレ対応が本格的に迫られています。

 個々の企業の経営戦略が今ほど問われている時はありません。業績に格差が開くのが「業績相場」の本丸です。日経平均は落ち着きどころを模索する時間帯が続きそうですが、個別企業への物色意欲は一段と強まることが予想されます。しっかりとその流れについてゆきたいものです。日本板硝子<5202>、スズキ<7269>、黒崎播磨<5352>、アルゴグラフィックス<7595>、イーグル工業<6486>に注目しています。

 *おことわり この記事は、2022年9月4日にYahoo!ファイナンスで有料配信されたものです。

提供:モーニングスター社