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<相場の見方、歩き方>市場に起きた3つの大きな変化、それでも基本は個々の企業の経営戦略(1)
2022-09-05 08:00:00.0
鈴木一之です。早いもので9月になりました。夏の終わりを告げる台風シーズンに突入したとたんに、早くも大きな台風11号が襲来しています。いつもの年以上に今年は天候の異変に気をつけなくてはなりません。
今週(8月29日−9月2日)は大きな変化が3つ、立て続けに起こりました。
ひとつは前週末のジャクソンホールにおけるパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演内容です。景気を犠牲にしてでも目の前のインフレを抑制するという方向に、世の中の目線がはっきりと変わりました。
パウエル議長は短い講演の中で、インフレの鎮静化という目標を達成するために「やるべきことをやり続ける」と明言しました。この発言を受けて世界の株式市場は、7月以降の株価の戻り歩調が大きく修正されています。
それまで株式市場は明らかに金融政策の引き締めに対して楽観的な見方を採っていました。FRBはインフレの抑制に早い段階で成功し、金融の引き締めは早期に終止符を打つとの目算を立てていました。それが見込み違いだったことが明らかになりつつあります。
かたや債券市場はそこまで楽観視はしておらず、引き続き慎重なスタンスを取っていました。そのような株価と債券の将来に対する楽観・悲観の格差が修正されつつるのが現在の世界的な株安です。それまでの株価上昇への期待が急速にしぼんでいます。
今週は軽い「世界同時株安」的な動きとなりましたが、しかし冷静に振り返ってみれば、現在の日経平均の2万7500円をはさんだ水準は、6月の米国の「CPI(消費者物価指数)ショック」で急落した時とほぼ同じレベルです。
さらに7月に起きた「逆・CPIショック」とでも言うべき、株価急騰時の水準ともほぼ同じような位置にもあります。株価は3か月にわたって「下がって上がって」という激しい値動きを経て、ほぼ同じ水準に戻っただけということになります。その点ではここからが新たな世界の始まります。(2)へつづく
*おことわり この記事は、2022年9月4日にYahoo!ファイナンスで有料配信されたものです。
提供:モーニングスター社




