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<相場の見方、歩き方>日経平均2万8000円回復の原動力は企業業績、好業績銘柄マーク
2022-08-08 08:00:00.0
鈴木一之です。株式市場は前週から保ち合い感が強まりましたが、いよいよ新しい動きを始めたようです。日経平均株価は週末5日に、抜けそうで抜けなかった2万8000円の大台を超えてきました。
注目された米国のFOMC(米連邦公開市場委員会)は前週の段階でひとまずクリアしました。今年4回目の利上げが0.75%と決定された直後から、これまで物価を押し上げていた米国の「強すぎる景況感」が少しずつ後退している模様です。
それを象徴するのが原油価格の動きです。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物で1バレル=90ドルの大台を下回ってきました。インフレに対する世の中の見方は徐々に低下しており、政策金利の引き上げペースはスローダウンするとの見方から、為替市場では今週初に1ドル=130円までドル安・円高に振れています。
円安下で軟調な動きを余儀なくされていた株式市場は、目の前の円高局面で上昇に転じています。マクロ経済面で落ち着きが戻ってくると、すかさずミクロ面というべき企業業績に目が向かい始めます。
3月決算企業の決算発表が日本でも目白押しとなっており、個々の企業への評価も高まります。好調な決算を発表する企業が多く、いくつかの企業を抜き出して最近の傾向を見てみます。
ひとつは東証プライム市場に上場するハードオフコーポレーション<2674>です。「ハードオフ」「ホビーオフ」「ガレージオフ」「モードオフ」「ブックオフ」など10種類のブランドで900店舗のリユース店を展開しています。本社は新潟県新発田市にありますが出店は首都圏と関西圏が中心です。
23年3月期の第1四半期(22年4−6月)は、売上高が65億6000万円(前年同期比10.0%増)、営業利益は7億2900万円(同1.1倍)と大きく伸びました。あらゆる物価が上昇する一方で賃金はなかなか増えにくい状況から、人々の間ではリユース市場の利用が増えています。第1四半期の累計で既存店売上高は前年同期比9.6%と好調に推移しており、それ以上にインターネット売上が同26.1%と増えていることが収益の伸びを支えています。
同じくプライム上場のM&Aキャピタルパートナーズ<6080>も業績が好調です。同社は中小企業の事業承継を中心としたM&Aのアドバイザリー事業を行っています。22年9月期の第3四半期(21年10月−22年6月)の実績は、売上高が141億円(同33.4%増)、営業利益が67億4600万円(同48.7%増)とそろって過去最高を更新しました。
同社の特徴は、企業価値の算定費用や着手金などを無料としており、最終的にクライアントが支払う手数料が2.9%と業界で最も低いことです。その結果、仲介案件の5件に1件が譲渡金額で1億円以上という大型案件が多くなっています。第3四半期までの累計ですでに119件という過去最高のM&A(企業の合併・買収)仲介の成約を得ました。通期目標としている193件の達成も十分に視野に入っており、前年実績の172件を大幅に超える見通しです。
シンフォニアテクノロジー<6507>も業績が好調です。精密な動きを制御するFA機器や産業用ロボットのモーションシステムを得意としており、半導体製造工程のウエハ搬送装置に応用されています。
ほかにも自動車用の電磁クラッチ、電磁ブレーキや、航空宇宙向けのコンバーター、電源システム、空港や港湾で用られる超重量物用の大型搬送装置を手がけています。
8月4日に発表した23年3月期の第1四半期の決算では、売上高は201億3600万円(同18.6%増)、営業利益は9億2300万円の黒字(前年同期は1億9800万円の赤字)となりました。世界的に半導体の調達不足が長期化していることから、半導体製造装置向けのクリーン搬送機器の需要が増えています。この部門の売上高が100億円(同40%増)と大きく伸びたことが収益回復の原動力となっています。
製造業、非製造業を問わず業績好調の企業が現われており、それが日経平均がいよいよ大台を突破する原動力となっています。決してマクロ経済環境の好転ばかりではありません。業績好調が確認された銘柄の押し目を待って、根気よく投資してゆくのが得策でしょう。上記の銘柄群に加えて、サイバーエージェント<4751>、オルガノ<6368>、山洋電気<6516>、TDK<6762>に注目しています。
*おことわり この記事は、2022年8月7日にYahoo!ファイナンスで有料配信されたものです。
提供:モーニングスター社




