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国内市況ニュース

<相場の見方、歩き方>日本の景気は弱くない?、当面は好業績銘柄を選別

2022-08-01 08:00:00.0

 鈴木一之です。小中学校の夏休みが始まり、今年も夏本番を迎えました。電力不足が少しでも回避されているのは何よりの朗報です。

 それ以上に日本では、コロナウイルスの感染拡大がまたも脅威となっています。全国の感染者数は初めて20万人の大台を超えました。

 政府は経済活動を止めないことを優先し、行動規制は取らない方針です。株式市場もコロナ感染者数の増加を気にすることはほとんどなくなりました。むしろ次のピークアウトを早くも見越して、インバウンド関連、経済再開期待銘柄の株価は堅調のようです。

 それ以上に気がかりなのは物価動向です。今週も世界中で物価と景気動向に関する話題で持ち切りでした。日本では総務省より物価統計が発表され、7月の東京都区部の消費者物価指数は総合指数(生鮮食品を除く)で前年比2.3%の上昇となったことがわかりました。

 上昇はこれで11カ月連続で、事前予想の2.2%も上回っています。食料品とエネルギー価格の上昇が特に影響しているようで、7月はエネルギー関連の上昇率が23.5%に達しました。電気代は6月の22.3%もの値上がりからさらに一段と上昇しており、7月はついに25.5%にも達しました。日本でも立派にインフレが進行しつつあります。

 米国では注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催され、予想通り6月に続いて0.75%もの利上げが実施されました。大幅な利上げ幅ですが、当初観測された1.0%の引き上げは回避されたため、市場ではむしろ冷静に受け止められました。

 5月からの3カ月間ですでに計2%もの急速な政策金利の引き上げが行われているため、米国経済には徐々に利上げの影響が出始めています。

 とりわけ住宅市場は減速感が顕著となっています。6月の新築戸建住宅の販売件数は前年比17.4減%と2年ぶりの低水準となりました。7月の米国PMI(製造業購買担当者景気指数)も総合指数が「47.5」となり、2年ぶりに分岐点の「50」を割り込みました。

 4−6月期の米実質GDP(国内総生産)は速報段階で前期比0.9%減となりました(年率換算)。住宅投資の減速と個人消費の落ち込みが影響しているようで、事前予想の0.3%増から大きく低下しました。これで米国経済は2四半期連続でマイナス成長を記録したため、形式的には米国はリセッションに入ったことになります。

 これらすべての経済指標が前週から今週にかけて明らかになりました。長期金利は低下しており、FOMCで利上げが決定されたにもかかわらず、為替市場ではドル売り円買いが優勢です。週末には1ドル=132円台の円高となっています。

 まさにこれがパウエル議長はじめFRB(米連邦準備制度理事会)メンバーが狙っている経済効果と見られます。景気後退も辞さないということですが、今後も目立った物価の上昇がなく抑制されるようであれば、8月はFOMCがないため、次回の9月会合で0.5%の利上げ、さらに11月に0.25%、12月も0.25%の利上げという線が観測されています。すべては今後の経済統計のデータ次第ということになります。

 景気がそれほど弱いかというと、そうとばかりは言えません。日本では今週、経済産業省より6月の鉱工業生産指数が発表されました。それによれば生産指数は「95.8」と、前月比8.9%もの大幅な上昇を記録しました。上海のロックダウン明けで自動車生産が戻ってきたことがプラスとなっています。上昇幅は現行基準では過去最高に達しています。

 自動車産業ばかりでなく、電気・情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業も伸びが顕著です。これを受けて経産省では基調判断をそれまでの「弱含み」から「生産は一進一退」に引き上げました。

 連日多くの企業から発表される第1四半期の企業業績も、野村不動産ホールディングス<3231>、アドバンテスト<6857>、日立建機<6305>、富士電機<6504>など、でこぼこはありますが総じて業績は好調です。それらの好調銘柄を中心に株式市場には強気で対処したいと思います。

 *おことわり この記事は、2022年8月31日にYahoo!ファイナンスで有料配信されたものです。

提供:モーニングスター社