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<相場の見方、歩き方>円安・ドル高は長期化の様相、輸出セクター、内需ともに注目できる理由(1)
2022-06-13 08:00:00.0
―この2週間で大きく変わった相場展開―
鈴木一之です。日経平均株価が2万8000円の大台をあっさりと回復しました。3月下旬の戻り高値をいともあっさりと更新しています。この2週間で相場展開が大きく変わりました。それ以前とはまるで違うような雰囲気を感じます。
資源・エネルギー関連株の上昇はあいかわらずしっかりしたものです。中国・上海市のロックダウンが徐々に解除されていることを背景に、原油価格は静かに1バレル=120ドルの大台に乗せました。ロシア産原油の禁輸に踏み切ったEU(欧州連合)は代替のエネルギー調達を急いでおり、現在の原油市場の騰勢はしばらく続くと見られます。
反対に、これまで頑強だった半導体関連株の下落が徐々にはっきりしてきました。ここでは世界経済の減速を反映し始めているとも見られます。世界銀行は6月の世界経済見通しにおいて、今年の主要国の成長率を大幅に引き下げました。
株式市場で高い人気を誇るもうひとつのセクター、海運株も週後半に急落しています。世界の大手海運会社の株価が軒並み値下がりしています。国際物流の混乱が解消する見通しは明確には立っておりませんが、収益面ではピークを迎えたと見られている可能性があります。
それとは対照的に、これまで一方的に売り込まれていた小型成長株が急速に息を吹き返しています。メルカリ<4385>が東証プライム市場に市場変更したばかりです。メルカリの後に続く企業はどこかと、市場の関心は早くも次に向かっています。
―相場の何が変わったのか、金融政策を巡る見解にカギ―
何かが変わりつつあると感じるものの、その「何か」がはっきりしないところが常にマーケットの複雑なところです。はっきりとはしないながらも、おそらくそれは中心的な論点である金融政策を巡る見解のはずです。
米国のFRB(米連邦準備制度理事会)が量的引き締めを決定したのが5月3−4日のFOMC(米連邦公開市場委員会)です。その直前の4月20日に日銀は金融政策定会合において、指値オペを毎日実施することを決めました。
このすぐ後から米国と日本は大手企業の決算発表シーズンを迎え、企業業績の動向に市場の関心のほとんどが向かいました。5月中旬にはアマゾン・ドットコム、そしてウォルマートと大手小売企業の決算内容に対してマーケットは失望感に包まれ、その直後に老舗のターゲットの決算によって市場は厳しい動揺をきたしました。
それが5月最終週のメーシーズ、ダラーゼネラルの決算への好評価によって、悪化したセンチメントは再びがらりと変わりました。小売セクターの決算内容を通じて、米国の個人消費に対する不安、心配が解消されていったことになります。(2)へつづく
*おことわり この記事は、2022年6月12日にYahoo!ファイナンスで有料配信されたものです。
提供:モーニングスター社




