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米10−12月期GDP、前期比2.9%増―伸び率鈍化も市場予想上回る
2023-01-27 09:09:00.0
<チェックポイント>
●インフレで個人消費は減速も底堅い―政府投資なども支えに
●民間企業投資は減少―住宅投資が大幅に落ち込む
●市場は1−3月期も成長率鈍化を予想―23年はゼロ成長を警戒
米商務省が26日に発表した22年10−12月期実質GDP(国内総生産、季節調整済み)・速報値は、前期比年率2.9%増と2期連続でプラス成長となり、7−9月期の3.2%増からは鈍化したものの、市場予想の平均値である2.6%増を上回った。
22年は前年比2.1%増となり、21年の5.9%増から鈍化したが、2年連続のプラス成長となった。
10−12月期は、GDP全体の約7割を占める個人消費が2.1%増と、7−9月期の2.3%増から減速。成長率寄与度は1.42ポイント(7−9月期は1.54ポイント)に低下しており、高インフレが消費を抑制したとみられる。一方、今後の個人消費の先行きを占う可処分所得の伸びは、インフレ調整前で前期比年率6.5%増(同5.4%増)、インフレ調整後でも3.3%増(同1%増)と、いずれも7−9月期を上回った。また、可処分所得に対する貯蓄の割合である貯蓄率は2.9%と、7期ぶりに上昇した。
個人消費以外では、外需と政府投資、企業在庫投資がプラス成長に寄与。外需は、GDP押し上げ要因の輸出が1.3%減とさえなかったが、GDP押し下げ要因である輸入が4.6%減と大きく減少し、貿易赤字が縮小した分、成長率が押し上げられた。政府部門(政府消費支出と固定資本形成)は3.7%増で、特に連邦政府が6.2%増と、7−9月期の3.7%増から大きく伸びた。企業在庫投資は前期比年率で1299億ドル増と、前期の387億ドル増から912億ドル加速した。
半面、民間企業投資は6.7%減と、7−9月期の3.5%減を上回る大幅減少となり、GDP成長率寄与度もマイナス1.2ポイント(7−9月期はマイナス0.62ポイント)に拡大した。金利高による借り入れコストの上昇で企業支出が抑えられており、失業者が増大する懸念が強まった。民間投資のうち、住宅ローン金利の上昇や住宅価格の高騰などを背景に住宅投資が26.7%減と大きく落ち込んだ。住宅以外の民間投資(企業投資)は0.7%増となったが、7−9月期の6.2%増から減速した。
インフレ動向を示すGDPデフレーターは、前期比年率で3.5%上昇と、7−9月期の4.4%上昇や市場予想の3.2%上昇を下回った。PCE(個人消費支出)物価指数も3.2%上昇と、7−9月期の4.3%上昇を下回り、3期連続で低下した。ガソリン価格の急落が背景とみられる。
また、FRBが重視しているコアPCE物価指数(エネルギーと食品を除く)は3.9%上昇(7−9月期は4.7%上昇)と3期連続で減速した。
市場は、FRBによる利上げが続く中でも米経済は堅調を維持しているとの見方が広がった。ただ、今後の米経済の見通しについては、1月に入ってからの米経済指標は成長の勢いが弱まっていることを示していることから、1−3月期は成長がさらに鈍化し、23年前半は緩やかなリセッション(景気後退)に陥る可能性が高いとみており、23年全体の成長率もほぼゼロ成長を予想している。
提供:モーニングスター社




