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金融・経済ニュース

米8月住宅着工件数、前月比12.2%増の157.5万戸―市場予想上回る

2022-09-21 09:04:00.0

<チェックポイント>

●アパートが大幅増―住宅ローン金利上昇などによる住宅取得能力の低下が要因か

●バックログの処理も進まず

●建築中件数は過去最高、7−9月期GDP押し上げへ

 米商務省が20日に発表した8月の住宅着工件数(季節調整値)は、年率換算で前月比12.2%増の157万5000戸となり、市場予想の平均値である145万件を大幅に上回った。前月が10.9%減の140.4万件に落ち込んだ反動によるもので、前年比では0.1%減となっていることから、住宅市場は依然として弱いとの見方が多い。

 着工件数の内訳は、主力の一戸建てが前月比3.4%増の93万5000戸と6カ月ぶりに増加に転じた。ただ、前月の90万4000戸に次いで今年に入り2番目に低い水準。コロナ禍前の20年2月時点の105万5000戸も大きく下回っている。対照的に、月毎に変動が激しいアパート(5世帯以上)は同28.6%増の62万1000戸と前月に12.8%の大幅減となった反動で急増。86年4月(65万6000戸)以来36年4カ月ぶりの高水準となった。

 インフレ圧力が一段と高まっていることや、大幅利上げ継続による住宅ローン金利の急上昇、住宅価格の高騰により、住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が低下しているため、建築業者は一戸建てよりも需要が大きい賃貸用アパートの建築にシフトしたと見ている。

 一戸建てのバックログ(建築許可が下りたあと、未着工となっている件数)は、前月比3.4%減の14万3000戸と、3カ月ぶりに減少したが、低水準だった21年1−3月期の月平均12万2000戸を上回った。アパート(前月比2.7%減)を含めた全体では同2.7%減の29万戸。労働者不足やサプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)、高インフレによる資材高騰、住宅購入需要の低下を受け、バックログの処理が抑制されている。

 地域別の着工件数は、全体の約6割を占める主力の南部が前月比24.5%増、中西部が同19.3%増と急増。南部に次いで大きい西部は同1.1%増だった。対照的に、北東部は同17.3%減と急減した。

 先行指標である住宅建築許可件数は前月比10.0%減の151万7000戸と5カ月連続で減少し、市場予想の平均値である160.4万件も大幅に下回った。住宅購入者のアフォーダビリティが低下していることに加え、インフレ加速による人件費や資材価格の高騰が着工を遅らせているようだ。

 一方、建築許可が下りたあとの建築中件数は同1.6%増の170万2000戸と、70年の統計開始以来、過去最高となった。7−8月の建築中件数の月平均は168万9000戸となり、4−6月期の月平均(167万5000戸)を上回っていることから、10月27日発表予定の7−9月期GDP(国内総生産)速報値の住宅投資部門を押し上げる見通しだ。

提供:モーニングスター社