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米7月中古住宅販売件数、前月比5.9%減の年率481万戸―市場予想下回る
2022-08-19 09:46:00.0
<チェックポイント>
●コロナ禍を除くと15年11月以来約7年ぶりの低水準
●住宅供給(在庫)は前月比4.8%増でも在庫不足変わらず
●住宅ローン金利と住宅価格の伸びがいずれも鈍化―市場回復の可能性
NAR(全米不動産業協会)が18日に発表した7月の中古住宅販売件数(季節調整済み)は前月比5.9%減の年率換算481万戸と6カ月連続で減少し、市場予想の485万戸を下回った。コロナ禍の20年6月以来2年1カ月ぶりの低水準だが、コロナ禍を除くと、15年11月以来約7年ぶりの低水準となる。
季節要因を無視できる前年比も20.2%減となり、12カ月連続で前年水準を下回った。コロナ禍中の21年の販売件数(前年比8.5%増の612万戸)を21.4%(131万戸)も下回っている。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、7月の販売件数の減少について、「住宅ローン金利が6月初めに一時、6%超のピークに達したことが大きい」とし、住宅ローン金利の急上昇と高水準の住宅価格が住宅購入者のアフォーダビリティー(住宅取得能力)を悪化させたと見ている。
一方、住宅供給の過不足感を示す7月時点の未販売住宅(在庫)は、前月比4.8%増の131万戸と、前月の8.7%増に続いて5カ月連続で増加。21年の88万戸や20年の106万戸を上回った。販売が低調なため、売れ残り期間が長期化していることや、コロナ禍の住宅ブームが終わりに近づいているため、販売業者が売り急いでいることが背景。
7月の販売ペースで換算した在庫水準は3.3カ月分と、6カ月連続で上昇。前月の2.9カ月分や1年前の2.6カ月分も上回ったが、適正水準とされる5−6カ月分を大きく下回っている。
一方、住宅の販売ペースを見ると、販売物件が7月中に市場に残っていた期間は14日間と、前月と変わらなかったが、1年前の17日間を下回り、過去最短となっている。7月中に販売された物件のうち、全体の82%(6月は88%)が市場に出てから1カ月弱で販売されており、中古住宅の購入のための入札が激化しているため、すぐに売り切れる状況。
地域別販売件数は、全体の4割以上を占め、最もウエートが大きい南部が前月比5.3%減の213万戸と、6カ月連続で減少。南部に次いで大きい西部は同9.4%減の87万戸と、2カ月連続で100万戸の大台を割り込んだ。中西部は同3.3%減の119万戸、北東部は同7.5%減(同16.2%減)の62万戸となった。
住宅販売の減少の最大の理由は住宅ローン金利の急上昇と住宅価格の上昇が続いていることだ。7月の住宅価格(中央値)は前月比2.4%低下の40万3800ドルと、6カ月ぶりに低下したが、まだ、40万ドル台の高水準。前年比も10.8%上昇と、125カ月連続で前年水準を上回っている。主力の一戸建ては前年水準より10.6%高い41万0600ドルとなった。ただ、在庫が増え始めているため、市場では今後、住宅価格が値下げされる可能性が高まっていると見ている。
高水準にある住宅ローン金利は、6月初旬の6%をピークに下がり始めているため、ヤン氏は、「今後、住宅購入者のアフォーダビリティーが高まり、住宅販売がすぐに落ち着く」とし、8月以降、住宅販売の減少に歯止めがかかると見ている。市場では住宅ローン金利がさらに低下し、住宅価格の伸びもさらに鈍化すれば今年後半から住宅販売が盛り返すと見ている。
提供:モーニングスター社




