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米5月住宅着工、前月比14.4%減の154.9万戸―市場予想下回る
2022-06-17 10:32:00.0
<チェックポイント>
●高インフレや住宅ローン金利の急上昇が着工数減速に
●着工件数―一戸建て前月比9.2%減、アパートは同26.8%減
●建築許可件数―一戸建て前月比5.5%減、アパートは同10.0%減
米商務省が16日発表した5月住宅着工件数(季節調整値)は年率換算で前月比14.4%減の154万9000戸と、4月の同5.4%増(改定前は0.2%減)から急減し、市場予想の170万戸を大幅に下回った。21年4月の150万5000戸以来、1年1カ月ぶりの低水準。前年比も3.5%減となり、コロナ禍前の20年2月水準である158万9000戸を下回った。
市場では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の開始(2月24日)と、それに伴う西側諸国の対ロ経済制裁でインフレ圧力が一段と高まっていることや、米利上げサイクルによる住宅ローン金利の急上昇、住宅価格の高騰による住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)低下、建築資材高騰の悪影響が現れたとして先行きに懸念を示している。
着工件数の内訳は、主力の一戸建てが前月比9.2%減の105万1000戸と、3カ月連続で減少し、20年8月の102万6000戸以来1年9カ月ぶりの低水準となった。コロナ禍前の20年2月時点の105万5000戸を下回っている。住宅ローン金利の上昇(9日時点で08年以来14年ぶり高水準の年率5.23%)が影響している。
月ごとに変動が激しいアパート(5世帯以上)も同26.8%減の46万9000戸と、21年9月の45万5000戸以来8カ月ぶりの低水準となり、全体を押し下げた。アフォーダビリティが低下し、一戸建てからアパートに関心が移り始めているものの、4月の急増(同25.4%増の64万1000戸)の反動減の可能性もある。
地域別の着工件数は、北東部が前月比14.6%増(うち、一戸建ては同5.5%増)、中西部は同1.9%増(同5.9%減)となったが、対照的に、全体の約6割を占める主力の南部は同20.7%減(同10%減)、南部に次いで大きい西部も同17.8%減(同11.8%減)と、いずれも急減した。
一戸建てのバックログ(建築許可が下りたあと、未着工となっている件数)は、前月比横ばいの15万2000戸となった。アパートを含めた全体のバックログも同0.7%増の28万3000戸となり、市場では、建築業者は労働者不足やサプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)、資材高騰、住宅購入需要の低下を受け、バックログの処理が抑制されていると見ている。
先行指標である住宅建築許可件数は前月比7%減の169万5000戸と、2カ月連続で減少。市場予想の178万5000戸を下回った。市場では、人件費や資材価格の高騰を受け、着工を遅らせていると見ている。一戸建ては同5.5%減の104万8000戸と、3カ月連続の減少。アパート(5世帯以上)は同10%減の59万2000戸と、2カ月連続で減少した。全体の前年比は0.2%増だった。
一戸建ての地域別許可件数は、北東部は前月比1.6%減(前年比3.2%減)の6万1000戸、中西部も同2.3%減(同5.8%減)の13万戸、西部も同3.3%減(同4.9%減)の23万5000戸、主力の南部も同7.3%減(同9.9%減)の62万2000戸と、軒並み減少した。
一戸建ての完成住宅件数は、前月比2.8%増の104万3000戸と、3カ月ぶりに増加し、3月の105万2000戸以来2カ月ぶりの高水準となった。アパート(5世帯以上)も同33.2%増の41万7000戸となり、全体では同9.1%増の146万5000戸と、3カ月ぶりに増加した。
<関連銘柄>
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提供:モーニングスター社




