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英中銀、政策金利を0.25ポイント利上げ1.25%へ―3委員は0.50ポイント上げ主張
2022-06-17 09:58:00.0
<チェックポイント>
●BOE、インフレは10月に前年比11%超上昇と予想―従来予想引き上げ
●BOE、利上げサイクルの継続を示唆
●BOEは年末までに政策金利を3.00%に引き上げ―市場予想
BOE(イングランド銀行、英中銀)は16日、金融政策委員会(MPC)の結果を発表し、政策金利を0.25ポイント引き上げて1.25%とすることを6対3の賛成多数で決めたことを明らかにした。市場予想通りだった。利上げは5会合連続。政策金利が1.00%超となるのは09年1月以来13年5カ月ぶり。
9人の政策委員のうち、0.25ポイントを支持した6委員はアンドリュー・ベイリー総裁を含むハト派(景気支援重視の金融緩和派)とされ、インフレ抑制の必要性を認識しながらも、大幅利上げによる英国の景気のリセッション(景気後退)懸念にも配慮した格好だ。
景気見通しについては、「5月金融政策報告書の予測では、英国のGDP(国内総生産)成長率は予測期間の前半に急減速する。雇用市場は短期的にはややタイトになるが、3年後には失業率が5.5%に上昇する」とし、経済の先行きに懸念を示している。失業率の急上昇は将来のリセッションの可能性を意味する。通年ベースのGDP予測は、22年が3.75%増となるが、23年には0.25%減とマイナス成長となる。その後、24年に0.25%増に回復すると予想している。
市場では英国経済がスタグフレーション(景気後退にもかかわらず、インフレ率が上昇する状態)に向かっているとの見方が多く、一部ではすでにリセッションの初期段階にあるとの見方もある。この点について、BOEは声明文で、「4月のGDPは前月比0.3%減と、2カ月連続でマイナス成長となり、5月予測より弱い状況。失業率も2−4月期は3.8%で、不就労率(労働力に入っていない人口比率)はやや低下したが、依然、コロナ禍前よりも高い」として警戒感を示している。
ただ、議事抄録では、「ハト派のメンバーは、5月金融政策報告書の発表以降、国内外の経済データは少なく限られていたと指摘した」としており、新たなデータ不足のため、利上げに慎重にならざるを得なかったとしている。
他方、タカ派(インフレ抑止重視の金融引き締め派)の3委員は0.50ポイントの大幅利上げを主張。反対票を投じた。タカ派の委員数は前回5月会合時と変わっていない。
市場では、9人の委員はインフレに対しハト派とタカ派、中間派に3分割されており、投票結果が割れると予想していた。
BOEは追加利上げを決めた理由について、声明文で、前回会合時と同様、BOEは、「現在のタイトな雇用市場(労働者不足)や企業の価格戦略(価格転嫁)などのインフレ要因もある」とし、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で世界的なエネルギー価格の急上昇といった外部要因に加え、国内要因のインフレ圧力も利上げの必要性を高めたとしている。
BOEは「インフレ率は今後数カ月で前年比9%上昇を上回り、10月には同11%上昇をやや上回る」とし、従来予想(10−12月期に10%超でピーク)から引き上げた。10月からのエネルギー料金の上限再引き上げに伴うエネルギー価格の上昇見通しが背景で、今後もインフレ上ブレリスクが続くと見ている。
その上で、今後の金融政策の見通しについて、「中期的にインフレを持続的に2%上昇の目標に戻すために必要な措置を講じる。政策金利のさらなる引き上げの規模やペース、タイミングは経済見通しとインフレ圧力に関する判断に基づく」とし、利上げサイクルの継続を示唆した。
市場では、8月と11月の会合で利上げが継続され、年末までに3.00%になると予想している。一部では8月に0.50ポイントの大幅利上げを予想。ただ、BOEの5月金融政策報告書の予測では22年と23年はいずれも2.50%にとどまると予想している。
BOEの次回会合は8月4日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




