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RBA、市場予想レンジを上回る0.50ポイント利上げを決定―政策金利0.85%に
2022-06-07 16:58:00.0
<チェックポイント>
●過去22年で最大の利上げ
●今後数カ月さらに利上げを示唆
●インフレ率は以前の予想よりも高くなっている―ロウRBA総裁
豪準備銀行(RBA、中銀)は7日の理事会で、インフレ加速を阻止し、金融政策を正常化するため、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を0.50ポイント引き上げ、0.85%とすることを決めた。市場予想レンジは0.25−0.40ポイント利上げだったが、それを上回るサプライズ。過去22年で最大の利上げとなった。
RBAは資金吸収オペとして、市中銀行のRBAへの預入残高である為替決済(ES)バランス(銀行間決済口座)に適用される公定レートも同率引き上げ、0.75%とした。
RBAのロウ総裁は会合後に発表した声明文で、前回5月会合と同様、「インフレが長期的に物価目標に戻ることを確実にするために必要なことを行う」とした上で、「金融正常化に向けたプロセスとして、今後数カ月さらなる措置を講じる」と利上げ継続の考えを示した。これを受け、豪州の短期金融市場では、RBAが年末までに政策金利を2.90%まで引き上げる見通しを織り込んだ。
RBAは20年11月会合で、コロナ禍の悪影響が現れ始めた21年3月以来8カ月ぶりに利下げを決めたが、同12月会合で据え置きに転換。今年4月まで16会合連続して現状維持を決めたが、5月会合で10年11月以来11年半ぶりに利上げに転換した。2会合連続の利上げは12年ぶり。
追加利上げを決めた根拠について、同総裁は、前回会合時と同様、「中国での新型コロナに関連する不確実性(サプライチェーンの寸断など)やロシアによるウクライナへの軍事侵攻がエネルギーや農産物の価格に悪影響を与え、世界経済の見通しが依然不透明となっている」とした上で、「インフレ率はさらに上昇すると予想される」とインフレ加速懸念を挙げた。
また、ロウ総裁は国内要因について、「雇用は大幅に増加し、失業率は約50年ぶり低水準の3.9%となっている。求人倍率や求人広告は高水準で、失業率や不完全雇用のさらなる減少が見込まれる」とし上で、「経済の強じん性とインフレ率の上昇は、コロナ禍の経済支援措置がもはや必要ないことを意味する。その撤回に向けたさらなる一歩だ」と指摘。金融政策の正常化の必要性も利上げの根拠として挙げている。5月の求人広告は3月の直近ピークに近い水準となり、雇用市場はタイトな状況となっている。
今回の0.50ポイントの大幅利上げについて、同総裁は、「インフレ率は大幅に上昇しており、以前の予想よりも高くなっている」、「インフレ圧力と、依然として非常に低い金利水準を考慮した」とし、インフレ圧力の高まりに加え、金融政策の正常化にも配慮したことを強調している。
今後のインフレの見通しについては、「短期的にはインフレ率はさらに上昇する」としたが、前回会合時と同様、供給サイドの混乱が解消すれば、インフレ率は物価目標レンジの2−3%上昇に向かって低下すると見ている。1−3月期のインフレ率は全体指数が年率5.1%上昇と、14年ぶりの高水準となった。
次回会合は7月5日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




