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金融・経済ニュース

米3月中古住宅販売件数、前月比2.7%減の年率577万戸―市場予想下回る

2022-04-21 10:51:00.0

<チェックポイント>

●住宅ローン金利上昇と価格高騰、供給不足で販売件数急減

●住宅価格は前年比15%上昇の37万5300ドル、過去最高値を更新

●住宅供給(在庫)は前年比11.8%増も依然過去最低水準

 NAR(全米不動産業協会)が20日発表した3月の中古住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比2.7%減の年率換算577万戸と、2月の同8.6%減(改定前7.2%減)に続いて2カ月連続で減少。市場予想580万戸に対しても下回った。前年比も4.5%減となり、8カ月連続で前年水準を下回った。

 NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、「住宅ローン金利の急上昇とインフレ上昇が購買力に打撃を与える影響が感じ始められた」と指摘している。

 住宅供給の過不足感を示す3月時点の未販売住宅(在庫)は、前月比11.8%増(前年比9.5%減)の95万戸と、2月の横ばいから3カ月ぶりに増加した。また、3月の販売ペースで換算した在庫水準は2カ月分と、2月の1.7カ月分を上回り、2カ月連続で上昇したが、1年前の2.1カ月分を下回り、依然、過去最低に近い水準だ。

 中古住宅の販売ペースをみると、販売物件が3月中に市場に残っていた期間は17日間と、2月や1年前の18日間を下回り、過去最短に近い。3月中に販売された物件のうち、全体の87%(2月は84%)が市場に出てから1カ月弱で販売されており、中古住宅の購入のための入札が激化しているため、すぐに売り切れる状況が続いている。

 地域別販売件数は、全体の4割以上を占め、最もウエートが大きい南部が前月比3.0%減(前年比3.0%減)の262万戸と、2カ月連続で減少。北東部も同2.9%減(同11.8%減)の67万戸、中西部も同4.5%減(同3.1%減)の127万戸となった。西部は同横ばい(同4.7%減)の121万戸となっている。

 住宅販売の減少の最大の理由は住宅ローン金利の急上昇と住宅価格の上昇が続いていることだ。3月の住宅価格(中央値)は前月比4.5%上昇の37万5300ドルと、4カ月連続で上昇し、21年6月の過去最高値(36万2800ドル)を更新した。前年比は15.0%上昇となり、121カ月連続で前年水準を上回っている。主力の一戸建ても同様で、3月は前年水準より15.2%高い38万2000ドル(前月比4.4%上昇)となった。在庫不足を反映し、不動産仲介業者が中古住宅の買取り価格を競り上げていることが住宅価格高騰の要因となっている。

 住宅価格が低下しないもう一つの要因として、格安なフォークロージャー(住宅不動産の差し押さえ=競売)物件やショートセールズ(フォークロージャー手続きに進む前の早い段階で債務者と債権者が協議して住宅を任意売却)物件などのディストレスト物件の供給が細っていることがある。3月のディストレスト物件の販売比率は1%弱と、2月や1年前と変わらなかった。

 一方、手ごろな価格帯の住宅供給不足と高水準の住宅価格を反映し、3月の新規住宅取得者の比率は30%と、2月の29%から上昇したが、1年前の32%や、過去平均の40%を下回っており、引き続き低水準となっている。

 市場では、今後、FRB(連邦準備制度理事会)の5月の追加利上げにより、すでに10年超ぶりの高水準にある住宅ローン金利がさらに上昇する見通しであることや、在庫不足による住宅価格の高騰で、住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が低下し、住宅販売が鈍化する懸念があるとみている。

<関連銘柄>
 NASD投信<1545>、NYダウ投信<1546>、上場米国<1547>、
 SPD500<1557>、NYダウ<1679>、NYダウブル<2040>、
 NYダウベア<2041>

提供:モーニングスター社