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英中銀、政策金利を0.25ポイント利上げ0.75%に―1人が据え置き主張
2022-03-18 09:58:00.0
<チェック・ポイント>
●副総裁がロシアのウクライナ侵攻の影響を懸念し反対
●年後半にインフレ率は前年比8%超の上昇を予想
●次回5月会合でも小幅利上げか
イングランド銀行(BOE、英中銀)は17日、金融政策委員会(MPC)の結果を発表し、政策金利を0.25ポイント引き上げ、コロナ禍前の水準である0.75%とすることを、8対1の賛成多数で決めたことを明らかにした。利下げは3会合連続。
0.25ポイントの利上げは市場予想通りだったが、カンリフ副総裁だけが据え置きを主張し、反対票を投じた。カンリフ副総裁は、「高インフレの長期化と労働市場のひっ迫によるインフレ加速のリスクを考慮すれば、さらなる政策の引き締めが必要となる可能性はある」との認識を示しつつも、据え置きを主張した理由について、「現時点では、コモディティ(国際相場商品)価格の上昇が家計の実質所得と経済活動に与える極めて大きな悪影響を重く見た」とし、利上げによる景気への打撃を憂慮したとしている。また、「ロシアのウクライナ侵攻によって(景気や所得への)悪影響が一段と強まり、景気の先行きの不確実性を高め、消費者と企業の信頼を低下させる可能性があると考えた」という。
BOEは利上げについて、「ロシアによるウクライナ侵攻により、エネルギーや食料を含めたコモディティ価格がさらに大幅上昇しており、今後、世界的なサプライチェーンの寸断を悪化させる可能性が高い。経済見通しに対する不確実性を大幅に高めている」とし、前回発表の2月経済予測からさらに悪化すると警告した。
2月経済予測では、失業率は25年までに5%に上昇し、CPI(消費者物価指数)で見たインフレ率は22年4月に前年比約7.25%上昇でピークに達すると予想している。1月のインフレ率は前年比5.5%上昇と、前月(21年12月)の同5.4%上昇から加速し、30年ぶりの高い伸びとなったが、BOEはインフレ率のピークについて、「22年4−6月期に前年比約8%上昇となり、今年後半にはさらに高くなる」とし、インフレ見通しを大幅に引き上げている。
ただ、中期のインフレ見通しについては、エネルギー価格の上昇が止まり、実質所得と需要の縮小が国内で発生するインフレに大幅な下ブレ圧力をかけるため減速するとみている。2月経済予測では、2年後のインフレ率を物価目標の2%上昇をわずかに上回る程度とし、3年後には物価目標を大幅に下回ると予想している。
今回の会合では、ロシアによるウクライナへの侵攻が景気悪化リスクになるとした。英国は純輸入国であるため、ロシアのウクライナ侵攻が長期化する場合、エネルギーと輸入財の価格高騰により、必然的に英国の実質総所得と支出はさらに下押しされると強い懸念を示している。
利上げを継続するか否かについては、「現在の経済情勢の判断に基づき、今後数カ月で金融政策をさらに適度に、引き締めることが適切であると思われる」とし、小幅利上げが好ましいとの考えを示した。前会合時は、「適度に引き締めることが適切である可能性が高い」としていたのに比べ、ややトーンダウンしている。また、「実質総所得への悪影響は2月経済予測よりも大幅に大きくなる可能性が高く、成長と雇用の見通しが弱まっている」とし、景気懸念を示している。
BOEの次回会合は5月5日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




