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FOMC、賛成多数で0.25ポイント利上げ―1委員は0.50ポイント利上げ主張
2022-03-17 10:44:00.0
<チェックポイント>
●早ければ5月FOMCでのバランスシート削減開始を示唆―パウエルFRB議長
●「ウクライナ情勢は短期的にインフレを加速し、米経済に打撃与える」と判断
●FOMC委員の政策金利見通し、22年7回、23年は3−4回の小幅利上げを想定
FRB(米連邦準備制度理事会)は16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標をこれまでのゼロ金利(0−0.25%)から0.25ポイント引き上げ、0.25−0.50%とすることを8対1の賛成多数で決めた。市場予想通りだった。利上げは18年12月以来3年3カ月ぶり。
また、FRBは17日から市中銀行がFRBに預け入れることが義務付けられている準備預金の預入額に付与する金利を0.40%に引き上げることも決めた。
FOMCの9委員のうち、ブラード・セントルイス連銀総裁のジェームズ・だけが0.50ポイントの大幅利上げを主張し、0.25ポイントの小幅利上げに反対した。
FRBは会合後に発表した声明文で、市場が注目していた、今後の金融政策のフォワードガイダンス(金融政策の指針)について、「われわれが適切に金融政策を引き締めることにより、インフレが2%上昇の物価目標に戻り、雇用市場は引き続き堅調となることが予想される」とした上で、「FF金利の誘導目標の継続的な引き上げが適切であると判断した」と利上げサイクルに入る考えを示した。
政策金利の見通しについては、FOMCが今回の会合で公表した、18人の委員による最新の3月経済・金融政策見通しによると、22年の金利予測を示す「ドット・チャート」では、6回の利上げ予想(1回の利上げ幅を0.25%と換算)が5人と最も多く、7回は2人、8回は3人となった。最も少ないのは4回、最も多いのは11回で、それぞれ1人だけだった。前回12月予測では、1回の利上げ予想が1人、2回が5人、3回は10人、4回は2人だったため、タカ派に大きくシフトしたことになる。
市場では、22年は5−7回の利上げ、23年も5回の小幅利上げを予想していたが、FOMC予測はそれよりもタカ派色が強い内容となった。
また、FRBは約8兆9000億ドルに達している保有国債の減額開始時期について、声明文で、「来たる会合で、国債とMBS(住宅ローン担保証券)の保有残高の削減を開始する」とし、次回の5月FOMC以降からバランスシート(保有国債)の規模縮小を始めることを示唆した。
PCE(個人消費支出)物価コア指数でみたインフレ見通しについては、22年は4.1%上昇(前回12月予測は2.7%上昇)、23年は2.6%上昇(同2.3%上昇)、24年は2.3%上昇(同2.1%上昇)と、いずれも引き上げられた。
GDP(国内総生産)見通しは22年が2.8%増(同4.0%増)と、下方修正された。23年は2.2%増(同2.2%増)、24年は2%増(同2.0%増)と、据え置かれた。
最近のインフレの加速については、前回会合時と同様、「パンデミック(コロナ禍)と経済の再開に関連した需給の不均衡がインフレ率の上昇に寄与し続けている」とし、インフレ加速が持続していることを認めた。パウエル議長は会合後の会見で、「22年下期にはインフレは減速すると予想しているが、それでも22年は高い水準となる」と述べている。
ウクライナ情勢と、それに伴う西側諸国の対ロ経済制裁によるインフレへの影響について、FRBは、「ロシアによるウクライナへの侵略は、人的にも経済的にも多大な困難を引き起こしている。米国経済への影響は非常に不確実だが、短期的には、侵略と関連する経済制裁がインフレにさらなる上向きの圧力を生み出し、経済活動を圧迫する可能性がありえる」とし、インフレの進行と景気後退の双方に対する懸念を示した。
次回会合は5月3−4日に開かれる予定。
<関連銘柄>
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提供:モーニングスター社




