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金融・経済ニュース

ECB、量的緩和縮小ペースを加速―早ければ7−9月期終了の可能性も

2022-03-11 10:58:00.0

<チェックポイント>

●「ウクライナ侵攻は欧州の歴史的な方向転換、不確実な環境」と判断

●利上げ開始は既存の国債買い入れ制度「APP」終了後―年内利上げ開始に含み

●22年インフレ見通しを5.1%上昇に上げ―前回予測は3.2%上昇

 欧州中央銀行(ECB)は10日の定例理事会で、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%に、また、下限の中銀預金金利をマイナス0.50%に、上限の限界貸出金利を0.25%に、いずれも据え置くことを全員一致で決めた。市場予想通りだった。据え置きは15会合連続。

 ただ、今回の会合では、ロシアによるウクライナ軍事侵攻の勃発(2月24日)と、それに伴う西側諸国の対ロ経済制裁によるインフレ圧力が一段と高まり、長期化する見通しとなったことを重く受けとめ、今後、ECBのQE(量的金融緩和)政策である既存の資産買い入れ制度(APP)の終了時期を前倒しすることを決めた。APPによる資産買い入れ縮小ペースを一段と早め、早ければ7−9月にも終了する。

 会合後に発表した声明文では、「ロシアのウクライナ侵攻はヨーロッパの分水嶺(歴史的な方向転換)となっている。(こうした)不確実な環境を考慮し、今後数カ月間のAPPの買い入れスケジュールを改定した」とした。また、「主要な金利調整(利上げ開始)はAPPによる資産買い入れ終了後、しばらくしてから段階的に行われる」との方針も示している。

 さらに、ユーロ圏以外の中央銀行に通常のユーロ流動性を提供する取り決めを補完する、ユーロシステムレポファシリティ(EUREP)の期限を22年3月から23年1月15日へ9カ月延長することを決めた。「ロシアによるウクライナ侵攻で極めて不確実な外部環境と、ユーロ圏の金融市場に悪影響を与える可能性のある、ユーロ圏以外の地域から派生するリスクを考慮し、ユーロ圏以外の市場機能不全によって起こりうるユーロ流動性ニーズに対処する」としている。

 また、ECBは「シメントリック(上下が対称)な2%上昇」とする物価目標も据え置いた。その上で、今後の金融政策について、「インフレ率が経済予測のホライズン(予測期間)が終わるかなり前に2%上昇に収束し、その後もタイム・ホライズンが終わるまで(2%上昇が)持続すると判断できるまで、ECBの政策金利は現在の水準となることが予想される」としつつも、年内利上げ開始の可能性に含みを残した。

 最新の新たに公表された四半期経済予測によると、21年のインフレ率(全体指数)を平均で5.1%上昇と予想し、前回12月予測時の3.2%上昇から大幅に引き上げた。23年も前回予測の1.8%上昇から2.1%上昇に引き上げたが、中期的にはインフレは抑制されるとしている。

 コアインフレ率は22年が2.6%上昇、23年は1.8%上昇、24年は1.9%上昇と予想。また、GDP(国内総生産)については、22年は3.7%増と予想し、前回予想の4.2%増から下方修正した。23年は2.8%増、24年は1.6%増と予想している。

 なお、20年3月の緊急理事会で新型コロナ危機対策として導入された緊急債券買い入れプログラム「PEPP」(総額1兆8500億ユーロ)による資産買い入れは、予定通り3月末に終了する。

 次回の会合は4月14日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社