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金融・経済ニュース

米1月中古住宅販売件数、前月比6.7%増の年率650万戸―市場予想上回る

2022-02-21 09:33:00.0

<チェックポイント>

●利上げ開始による住宅ローン金利の上昇加速懸念で駆け込み需要強まる

●住宅ローン金利上昇と住宅価格高騰で中所得層への逆風強まる見通し

●住宅在庫は過去最低を更新―50万ドル超の高額物件は増加傾向

 NAR(全米不動産業協会)が18日発表した1月中古住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比6.7%増の年率換算650万戸と、21年12月の同3.8%減から増加に転じ、21年1月(665万戸)以来1年ぶりの高水準となり、市場予想の610万戸を上回った。

 季節要因を無視できる前年比は2.3%減となり、6カ月連続で前年水準を下回った。

 NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、「消費者はFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ開始で住宅ローン金利が上昇するとの思惑で買い急いだ可能性が高い」と見ている。今後の販売見通しについては、「今後、中所得層の一部では住宅ローンを借りる余裕がなくなる。カリフォルニアやニューヨークなど大都市圏では毎月のローン返済が500−1000ドル高くなる」とし、住宅ローン金利の上昇により、中古住宅販売に悪影響が及ぶと見ている。

 住宅供給の過不足感を示す1月時点の未販売住宅(在庫)は前月比2.3%減(前年比16.5%減)の86万戸と6カ月連続で減少し、過去最低となった。また、1月の販売ペースに換算した在庫水準も1.6カ月分と、5カ月連続で低下し、これも過去最低となった。前出ヤン氏は、「住宅在庫は50万ドル以下の物件が消え、それ以上の高額物件が増えており、購入者は高所得層にシフトし続ける」と指摘している。

 中古住宅の販売ペースをみると、販売物件が1月中に市場に残っていた期間は19日間と、12月と変わらなかったが、依然、過去最短に近い。中古住宅の購入競争が激しいため、すぐに売り切れる状況が続いており、1月中に販売された物件のうち、全体の79%が市場に出てから1カ月弱で売れている。

 地域別販売件数は、全体の4割以上を占め、最もウエートが大きい南部が前月比9.3%増(前年比0.3%増)の294万戸と、12月の急減から増加に転じた。北東部も同6.8%増(同8.2%減)の78万戸、中西部も同4.1%増(同横ばい)の151万戸、西部も同4.1%増(同6.6%減)の127万戸と、全地区で増加した。

 住宅価格は中央値で前月比1.2%低下の35万300ドルと、4カ月ぶりに低下したが、前年比は15.4%上昇と、119カ月連続で前年水準を上回り、21年6月の過去最高値(36万2800ドル)に近い水準となっている。主力の一戸建ても同様で、1月は前年水準より15.9%高い35万7100ドル(前月比1.2%低下)となった。在庫不足を反映し、不動産仲介業者が中古住宅の買取り価格を競り上げていることが住宅価格高騰の要因となっている。

 住宅価格が低下しないもう1つの要因として、格安なフォークロージャー(住宅不動産の差し押さえ=競売)物件やショートセールズ(フォークロージャー手続きに進む前の早い段階で債務者と債権者が協議して住宅を任意売却)物件などのディストレスト物件の供給が細っていることがある。1月のディストレスト物件の販売比率は1%弱と、12月や1年前と変わらなかった。

 一方、手ごろな価格帯の住宅供給不足と高水準の住宅価格を反映し、1月の新規住宅取得者の比率は27%と、12月の30%から低下し、1年前の33%も下回った。

 市場では住宅ローン金利が21年以降、急上昇していることや、在庫不足による住宅価格の高騰で住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が低下し、今後住宅販売が先細る可能性があるとみている。

<関連銘柄>
 NASD投信<1545>、NYダウ投信<1546>、上場米国<1547>、
 SPD500<1557>、NYダウ<1679>、NYダウブル<2040>、
 NYダウベア<2041>

提供:モーニングスター社