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ECB、超低金利政策を据え置き―14会合連続、市場予想通り
2022-02-04 11:13:00.0
<チェックポイント>
●ラガルドECB総裁、年内利上げ関し前言の「起こりそうにない」を否定せず
●市場は年内0.4%の利上げ織り込む
●既存の国債買い入れ制度「APP」、利上げ開始後も長期間再投資へ
欧州中央銀行(ECB)は3日の定例理事会で、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%に、また、下限の中銀預金金利もマイナス0.50%に、上限の限界貸出金利も0.25%に、いずれも据え置くことを全員一致で決めた。市場予想通りだった。据え置きは14会合連続。
20年3月の緊急理事会で新型コロナ危機対策として導入を決めた緊急債券買い入れプログラム(PEPP)を3月末に終了すること、PEPPによって買い入れた保有国債の満期償還金を少なくとも24年末までは再投資することもそれぞれ再確認した。また、再投資にあたり、ECBは今回の会合でも「ギリシャ経済の回復を支援するため、ギリシャ国債を買い入れる」方針を示した。
今後、ECBのQE(量的金融緩和)政策は弾力運用が可能な資産買い入れプログラム(APP)に引き継がれる。APPによる資産買い入れの終了時期については、「主要な政策金利の引き上げを開始する直前に終了する」とした上で、「APPにより買い入れた資産の満期償還金の全額を利上げ開始後も長期にわたり、再投資する」とした。
このほかでは、ECBは銀行による中小企業や家計向け融資の拡大を目指すTLTRO3(貸出条件付き長期資金供給オペ)の貸出条件の緩和措置も据え置いた上で、前回会合時と同様、「同制度で適用される貸出条件は6月に終了する」とした。
また、ECBは21年7月会合で物価目標を従来の「2%弱」から「シメントリック(上下が対称)な2%上昇」に変更し、ECBの新しいフォワードガイダンス(金融政策の指針)としたが、これも据え置いた。
その上で、今後の金融政策について、「シメントリックな2%上昇の物価目標を支持し、インフレ率が経済予測のホライズン(予測期間)の途中で2%上昇に収束し、その後もタイム・ホライズンが終わるまで(2%上昇が)持続すること、また、コアインフレ率が十分上昇し、中期的に2%上昇で安定という目標と合致すると判断できるまで、ECBの政策金利は現在の水準か、それ以下の水準となることが予想される」としている。
ラガルドECB総裁は会合後の記者会見で、インフレ見通しについて、「高インフレが想定より長期化する可能性は高いが、22年末までにインフレは低下していく」とし、インフレ加速は一過性との見方を変えていない。ただ、市場は、ラガルド総裁が会合後の会見で、年内の利上げ開始の可能性について、「起こりそうにない」という前言を否定しなかったことに注目し、7月か9月に0.1ポイントの利上げを開始し、年末までに0.4ポイントの利上げを行うと予想している。
この背景には、ECBはインフレが年内に沈静化するとの見通しに立って金融政策を正常化させることに重点を移しており、FRB(米連邦準備制度理事会)やイングランド銀行(英中央銀行、BOE)などに比べて緩やかな金融引き締め政策の道筋を模索するとみているとの見方がある。
2日に発表されたユーロ圏1月CPI(消費者物価指数)は前年比5.1%上昇と、21年12月の同5.0%上昇を上回り、20年超ぶりの高水準となったが、値動きが激しいエネルギーや食品を除いたコアインフレ率は同2.3%上昇と、12月の同2.6%上昇から減速しており、賃上げ交渉とタイトな労働市場からの「第2ラウンド効果」(賃金上昇によるインフレ加速)の懸念も見られない。ECBの最新のマクロ経済予測(21年12月16日発表)でも22年末までにインフレ率は2%弱の上昇となり、23年と24年はいずれも1.8%上昇になると予想している。
次回の会合は3月10日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




