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金融・経済ニュース

米10−12月期GDP、前期比6.9%増―市場予想大幅に上回る

2022-01-28 10:59:00.0

<チェックポイント>
●個人消費、民間投資、輸出が大きく寄与

●21年は前年比5.7%増―1984年以来37年ぶり高い伸び

●コアPCE物価指数は前期比4.9%上昇―前期から伸びが加速しFRB目標を大きく超過

 米商務省が27日発表した米21年10−12月期実質GDP(国内総生産)・速報値は、季節調整済みで前期比年率換算6.9%増と、前7−9月期の同2.3%増から急加速した。20年7−9月期(33.8%増)以来の高い伸びとなり、市場予想の5.5%増を大幅に上回った。実績値は19兆8060億ドルと、3期連続でコロナ禍前の19年10−12月期実績値(19兆2023億ドル)を上回っている。

 21年全体のGDPは前年比5.7%増となり、1984年の7.2%増以来37年ぶりの高い伸びとなった。コロナ禍を受けた政府による景気刺激のための巨額の財政支出が寄与した。

 10−12月期GDPが急加速したのは、サプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)や労働者不足の問題、オミクロン株の感染拡大が続く中、年末商戦に備えた在庫投資が活発化したため。自動車生産が拡大したことや、輸出の急増、新型コロナのデルタ株の感染拡大を受け前期低迷した個人消費が改善したことが大きい。

 GDPの主な内訳は、全体の約7割を占める個人消費が3.3%増と、前期の2.0%増から改善した。他方、半導体不足の悪影響を受けている自動車生産も改善し、耐久財消費が1.6%増(前期は24.6%減)と増加に転じた。自動車の生産額は29.7%増(前期は38.4%減)と3四半期ぶりに増加した。他方、サービス消費も4.7%増(同8.2%増)と、伸びが鈍化したものの、堅調だった。

 投資部門では住宅以外の民間投資(企業投資)が2.0%増と前期の1.7%増を上回り、6期連続の増加となった。住宅投資は0.8%減と、前期の7.7%減に続いて3期連続で減少した。原材料費の高騰や労働者不足で住宅建築が抑制されたためだが、住宅取得需要は依然強く、減少幅は大きく縮小した。

 住宅投資以外の民間投資の内訳は、事業所ビルや工場、石油掘削リグなどの建物に対する投資が11.4%減(前期は4.1%減)と3期連続で減少したが、企業の機械設備投資は0.8%増(同2.3%減)と改善した。これらに在庫投資を加えた民間投資全体では32%増と、前期の12.4%増から伸びが急加速し、2期連続の増加となった。

 民間投資のうち、GDP押し上げ要因である企業在庫投資の実質変動額は前期比年率換算で1735億ドル増と、前期の668億ドル減から増加に転じ、GDP全体を押し上げた。

 外需部門では、GDP押し上げ要因である輸出が24.5%増と、前期の5.3%減から増加に転じた。一方、GDP押し下げ要因である輸入も17.7%増(前期は4.7%増)と高い伸びとなり、6期連続で増加した。しかし、輸入の伸びが輸出の伸びを下回ったため、貿易赤字は1兆3380億ドルと前期より214億ドル縮小し、成長率の押し上げに寄与した。

 一方、政府部門(政府消費支出と固定資本形成)は2.9%減と、前期の0.9%増から減少に転じた。

 また、今後の個人消費の先行きを占う意味で重視される可処分所得の伸びは季節調整前で前期比年率換算0.3%増(季節調整後の実質では5.8%減)と、前期の0.8%増(同4.3%減)を下回り、可処分所得に対する貯蓄の割合である貯蓄率も7.4%と、前期の9.5%を下回った。額面の貯蓄額も1兆3426億ドルと、前期の1兆7179億ドルから22%減少した。

 インフレ動向を示し、名目GDP(14.3%増)から実質GDP伸び率を算出するときに使われる物価指数であるGDPデフレーターは、前期比年率換算で6.9%上昇と、前7−9月期の前期比6.0%上昇や市場予想の同5.9%上昇を上回った。一方、PCE(個人消費支出)物価指数も前期比6.5%上昇と、前7−9月期の同5.3%上昇から伸びが加速し、1982年以来39年ぶりの高い伸びとなった。また、FRB(米連邦準備制度理事会)が最も重視しているコアPCE物価指数(値動きが激しいエネルギーと食品を除く)は前期比4.9%上昇と前7−9月期の同4.6%上昇からが加速し、FRBの物価目標の2%上昇を大きく上回っている。

<関連銘柄>
 NASD投信<1545>、NYダウ投信<1546>、上場米国<1547>、
 SPD500<1557>、NYダウ<1679>、NYダウブル<2040>、
 NYダウベア<2041>

提供:モーニングスター社