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英中銀、政策金利を0.15ポイント引き上げ0.25%に―市場予想外の利上げ決定
2021-12-17 10:26:00.0
<チェックポイント>
●「インフレ率は22年4月に前年比約6%上昇でピーク」と予想
●オミクロン株の感染拡大で10−12月期GDP見通しを下方修正
●BOE追加利上げを示唆―市場では22年2月会合での0.25ポイント利上げを想定
イングランド銀行(BOE、英中銀)は16日、金融政策委員会(MPC)の結果を発表し、政策金利を0.15ポイント引き上げて0.25%とすることを8対1の賛成多数で決めたことを明らかにした。ハト派(景気リスク重視の金融緩和派)テンレイロ委員だけが現状維持を主張し、利上げに反対票を投じた。
市場では、オミクロン株の感染急拡大を受けて景気の先行き懸念を強いとして、BOEは利上げ開始を22年以降に先送りするというのが大方の予想だったため、今回の利上げ決定はサプライズとなり、ポンドが対ドルなどで急伸した。
BOEは利上げに踏み切った理由について、最近のインフレ率の急加速を挙げている。議事抄録で、「インフレ率(全体指数)が9月の前年比3.1%上昇から11月には同5.1%上昇に加速し、冬期の大部分を通じて約5%上昇にとどまり、22年4月には約6%上昇(前回会合時は5%上昇)でピークに達すると予想している」とインフレ高進への懸念を示した上で、「MPCの任務は、物価安定を優先し、物価目標が常に適用されることを明確にしている。労働市場は引き続きひっ迫しており、国内のコストと物価(上昇)圧力が一段と持続している兆候が見られる。インフレを持続的に2%上昇の物価目標に戻す必要があると判断した」としている。
また、「一時的な物価上昇の可能性のある要因ではなく、中期的なインフレ期待を含む中期的なインフレ見通しに常に焦点を当てる」とし、これまでは短期的なインフレ加速は一過性として反応薄だったが、今回の利上げ決定では、「MPCは、中期的なインフレ見通しには上ブレ・下ブレの両方のリスクがあると引き続き判断しているが、2%上昇の物価目標を持続的に達成するためには経済予測期間にわたって金融政策をある程度引き締める必要がある」とし、追加利上げの可能性を示唆した。
オミクロン株の経済やインフレへの影響については、「短期的には経済活動を圧迫する可能性がある」としたものの、「中期的なインフレ圧力への影響はこの段階では不明だ」とし、今回の利上げに決定に対しては、中立の見方を示している。
しかし、オミクロン株の感染拡大の経済への影響について、BOEは12月の成長率を引き下げた上で、10−12月期GDP(国内総生産)を従来予想の前期比1.0%増から同0.6%増に下方修正した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の19年の水準を約1.5%下回り、7−9月期の19年比1.3%減からさらに悪化する見通しだ。
今後の金融政策については、「前回11月会合で、MPCは労働市場に関するデータが金融政策報告書の予測と概ね一致していることを条件として、今後数カ月にわたって、政策金利を引き上げる必要があると判断した」としており、労働市場からの「第2ラウンド効果」が今後も続く場合、追加利上げの可能性がある。市場でもオミクロン株がサプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)や労働者不足を悪化させ、インフレ加速リスクが高まるとして、BOEは22年2月の次回会合でさらに0.25ポイントの追加利上げを予想。金利先物市場でも22年2月に政策金利が0.50%に達する確率を80%織り込んでいる。
また、BOEは、総額8950億ポンド(8750億ポンドの国債買い取り枠と200億ポンドの投資適格級の社債買い取り枠)の量的金融緩和(QE)規模についても全員一致で据え置いた。現在の総額8950億ポンドの資産買い入れプログラムは12月末に終了する予定。
BOEの次回会合は22年2月3日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




