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金融・経済ニュース

英中銀、政策金利据え置き0.10%に据え置き―市場予想に反するサプライズ

2021-11-05 11:22:00.0

<チェックポイント>

●タカ派2委員、0.15ポイントの利上げ主張

●「数カ月で利上げが必要」と政策転換

●インフレ率は22年4月に前年比5%上昇でピークと予想

 イングランド銀行(BOE、英中銀)は4日、金融政策委員会(MPC)で、政策金利を過去最低水準の0.10%に据え置くことを7対2の賛成多数で決めた。利上げを主張したのはタカ派(インフレ抑制派)のマイケル・サンダース(外部委員)とデイブ・ラムスデン(副総裁)の2委員だけだった。

 市場では、インフレ率が5%上昇に加速する可能性があることや、BOEのアンドリュー・ベイリー総裁が10月16日のパネル討論会で、「金融政策は供給サイドの問題を解決することはできないが、特に中期のインフレとインフレ期待に対するリスクが見られる場合、行動する必要がある」と述べて以降、11月会合で0.15ポイントの利上げを決めるとの予想が大勢だったため、サプライズとなった。

 今回の会合では最新の経済予測を示した「11月金融政策報告書」が発表されたが、それによると、政策金利見通しは22年末までに前回8月予測よりも早く、現行の0.10%から約1%に到達するすると予想している。これについて、BOEは声明文で、「持続的に2%上昇の物価目標を達成するために、今後数カ月で金融政策の引き締めを迫られる可能性が高い」と指摘。供給制約やエネルギー価格の高騰などを背景に、政策を変更し、利上げに移行することを示唆した。

 また、BOEは、総額8950億ポンド(8750億ポンドの国債買い取り枠と200億ポンドの投資適格級の社債買い取り枠)の量的金融緩和(QE)規模についても7対2の賛成多数で据え置いた。現在の総額8950億ポンドの資産買い入れプログラムは年内に終了する予定。

 インフレ見通しについては、目先、9月のCPI(消費者物価指数)が前年比3.1%上昇にやや減速したが、10月は4%上昇弱、11月は4.5%上昇、12月以降の冬季もこの水準が続き、22年4月に約5%上昇でピークに達すると予想している。

 景気の見通しについては、中長期的には、「サプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)は短期的に成長を少なからず抑制するが、パンデミックからさらに回復し、英国のGDP(国内総生産)は22年1−3月期にパンデミック前の19年10−12月期の水準に戻る」と予想。それ以降は、「政府の財政緊縮政策やエネルギー価格の上昇などが需要の伸びを抑え、成長が鈍化する」と見ている。11月予測によると、21年の成長率見通しは7%増(前回予測は7.25%増)、22年は5%増(同6%増)、23年は1.5%増(同1.5%増)、24年は1%増となっている。

 今後、市場の予想に反した金融政策の決定に対し、ベイリー総裁が批判の矢面に立つことが懸念されている。過去に、マーク・カーニー前総裁が将来の金利変動について誤解を招いたとして、BOEのフォワードガイダンス(金融政策の指針)は「信頼できないボーイフレンド」と批判され、議会で追及された経緯がある。ベイリー総裁は会合後の会見で、信頼できないボーイフレンドという呼称について、「行動(利上げ)するというのは、中期のインフレとインフレ期待に対するリスクに限定して発言したはずだ」と述べ、一過性のインフレ加速リスクとの違いを指摘し、批判を交わした。

 BOEの次回会合は12月16日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社