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米7−9月期GDP、前期比2.0%増に急減速―市場予想下回る
2021-10-29 10:47:00.0
<チェックポイント>
●個人消費がわずか1.6%増―前4−6月期から伸び率大幅鈍化
●市場では10−12月期以降、成長率は加速すると予想
●企業投資は5期連続増加も、伸び率は大幅鈍化
米商務省が28日発表した7−9月期の実質GDP(国内総生産)・速報値は、季節調整済みで前期比年率換算わずか2.0%増と、前期の同6.7%増から急減速し、市場予想の2.4−2.8%増も下回った。ただ、実績値は19兆4652億ドルとなり、前期に続いて2期連続で、パンデミック前の19年10−12月期の19兆2023億ドルを上回った。
市場では、低い伸びはサプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)や労働者不足の問題、デルタ株の感染拡大、政府の景気支援効果の低下が原因とみている。7−9月期の低成長は一時的で、今後はデルタ株の新規感染者数の減少により、10−12月期と22年にかけて成長率は加速するとみている。
GDPの主な内訳は、全体の約7割を占める個人消費が1.6%増と、前期の12.0%増から急減速し、19年1−3月期の0.6%増以来、2年半ぶりの低い伸びとなった。デルタ株の新規感染者数の急増やサプライチェーンのボトルネックが消費を抑えた。特に半導体不足で自動車生産が低迷した耐久財消費は26.2%減(前期は11.6%増)と急減した。自動車の生産額を見ても41.6%減(前期は14.1%減)となっており、自動車を除けばGDPは3.5%増となったほど。その一方で、サービス消費は7.9%増(同11.5%増)と好調維持し、財からサービスに消費がシフトした。
投資部門は住宅以外の民間投資(企業投資)が1.8%増となり、前期の9.2%増からさらに増加し、5期連続の増加となった。住宅投資は7.7%減と、住宅取得需要が依然強いものの、原材料費の高騰や労働者不足で住宅建築が抑制され、前期の11.7%減に続いて2期連続の減少となった。
住宅投資を除いた民間投資の内訳は、事業所ビルや工場、石油掘削リグなどの建物に対する投資は7.3%減(前期は3%減)と、2期連続で減少し、企業の機械設備投資も3.2%減(同12.1%増)と、5期ぶりに減少に転じた。ただ、在庫投資の減少幅が前期に比べ大幅に縮小したため、在庫投資を加えた民間投資全体では11.7%増と、前期の3.9%減から3期ぶりに増加となった。
外需部門では、GDP押し上げ要因である輸出が2.5%減と、前期の7.6%増から減少に転じた。一方、GDP押し下げ要因である輸入は6.1%増(前期は7.1%増)と、引き続き高い伸びとなり、5期連続で増加した。輸入の伸びが輸出の伸びを上回ったため、貿易赤字は1兆3117億ドルと、前期より赤字幅が672億ドル拡大し、成長率を抑えた。
一方、政府部門(政府消費支出と固定資本形成)は0.8%増と、前期の2.0%減から増加に転じた。連邦政府は4.7%減(前期は5.3%減)となった。そのうち国防を除くと9.2%減(同10.7%減)と、景気支援の財政支出の効果がはく離したため、2期連続で減少した。州や市町村は4.4%増(同0.2%増)と、学校再開で支出が増えた。
今後の個人消費の先行きを占う意味で重視される可処分所得の伸びは季節調整前で前期比年率換算0.7%減(季節調整後の実質では5.6%減)と、前期の25.7%減(同30.2%減)に続いて2期連続で低下した。可処分所得に対する貯蓄の割合である貯蓄率も8.9%と、前期の10.5%を下回った。額面の貯蓄額も1兆5977億ドルと、前期の1兆8953億ドルから16%減少した。
インフレ動向を示し、名目GDP伸び率(7.8%増)から実質GDP伸び率を算出するときに使われる物価指数であるGDPデフレーターは、前期比年率換算で5.7%上昇と、前期と市場予想の6.1%上昇を下回った。一方、PCE(個人消費支出)物価指数も5.3%上昇と、前期の6.5%上昇から伸びが減速した。また、FRB(米連邦準備制度理事会)が最も重視しているコアPCE物価指数(値動きが激しいエネルギーと食品を除く)は4.5%上昇(前期は6.1%上昇)と、伸びが減速したが、FRBの物価目標の2%上昇を大きく上回った。
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