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金融・経済ニュース

ECB、超低金利政策と資産購入減額方針を維持―早期利上げ観測を否定

2021-10-29 10:39:00.0

<チェックポイント>

●緊急債券買い入れペースは「適度に減額」を維持

●インフレは一時的で22年には緩和される見通し

●市場の利上げ観測はECBのガイダンスとは一致しない―ラガルドECB総裁

 欧州中央銀行(ECB)は28日の定例理事会で、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%に、下限の中銀預金金利をマイナス0.50%に、上限の限界貸出金利を0.25%に、いずれも据え置くことを全員一致で決めた。市場予想通りだった。据え置きは12会合連続。

 また、新型コロナ危機に対応して導入した緊急債券買い入れプログラム「PEPP」の規模を1兆8500億ユーロ、運用期限を22年3月末までとする措置も据え置いた。

 テーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)については、声明文で、「PEPPによる資産買い入れペースを4−6月期と7−9月期(の月800億ユーロ)よりも適度に減額しても好ましい資金調達条件(低金利での資金調達)を維持できると引き続き判断している」とし、前回9月会合で示した方針を再確認した。

 ラガルドECB総裁は20年12月、会合後の会見で、PEPPのテーパリングの可能性について、「債券買い入れ枠(1兆8500億ユーロ)を全部使い切る必要はない」と述べ、景気が上向けば債券買い入れを減額する可能性を示唆したが、今回の声明文でも同文言を残した。一方で、「新型コロナのパンデミックショックに立ち向かうため、(国や企業、家計にとって)好ましい金融状況(低金利での資金調達)を維持する必要があれば、買い入れ枠を調整することができる」と、減額と増額の両方の可能性を残している。

 ECBは今回の会合でもPEPPの期限が到来する22年4月以降は新規の買い入れを行わない代わりに、国債の満期償還金を再投資する、いわゆるロールオフ(過剰流動性を吸収するための不胎化政策)を行う方針を据え置いた。ロールオフの期限についても23年12月末までとする方針を据え置いた。

 さらに、従来からの資産買い入れプログラム「APP」の下で、19年11月1日から月200億ユーロのペースで資産買い入れを実施しているが、この買い入れ規模も据え置いた。再投資による資産買い入れの終了時期についても、ECBは声明文で、「望ましい流動性の状況や十分な金融緩和を維持する必要がある限り、ECBが利上げを開始するまで続ける」とした。

 このほか、ECBは銀行による中小企業や家計向け融資の拡大を目指すTLTRO3(貸出条件付き長期資金供給オペ)の貸出条件の緩和措置も据え置いた。

 ECBは7月会合で物価目標を従来の「2%弱」から「シメントリック(上下が対称)な2%上昇」に変更することを正式決定し、ECBの新しいフォワードガイダンス(金融政策の指針)としたが、これも据え置いた。

 ラガルド総裁は会合後の会見で、インフレ見通しについて、「エネルギー価格の上昇やボトルネックで供給が抑制され、需要の回復ペースに追いつかず、インフレが押し上げられている。インフレ率の鈍化には以前の予想よりも時間がかかるが、22年中にはこれらの要因が緩和される。中期的にはインフレ率が2%上昇の物価目標を下回る」とハト派姿勢を強調した。また、「市場の利上げ観測はECBのフォワードガイダンスと一致していない」とし、その上で、「ECBは(利上げに転換した)他の中央銀行と比べられない。物価目標の2%上昇を達成するという決意は忍耐強く、粘り強くあるべきだ」とし、市場の早期利上げ待望論をけん制した。

 次回の会合は12月16日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社