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金融・経済ニュース

RBA、政策金利と量的緩和を据え置き―住宅バブル抑え、融資基準厳格化の可能性示唆

2021-10-05 16:18:00.0

<チェックポイント>

●22年2月中旬まで資産買い入れペースを週40億豪ドルで継続

●「インフレ率が2−3%の物価目標レンジになる24年まで利上げせず」も維持

●22年下期にデルタ株の感染拡大前の成長軌道に戻る―ロウRBA総裁

 豪準備銀行(RBA、中銀)は5日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を過去最低水準の0.10%に据え置いた。市場の予想通りだった。

 RBAは20年11月会合で、新型コロナのパンデミック(世界大流行)の悪影響が現れ始めた3月以来、8カ月ぶりに利下げを決めたが、20年12月会合で据え置きに転換。これで据え置きは10会合連続となる。

 今回の会合の特徴は、住宅バブルに対する警戒感が示されたことだ。豪州では旺盛な住宅需要を反映して住宅価格が上昇し、住宅関連融資が急増している。ロウRBA総裁は会合後の声明文で、「超低金利時代での急速な信用拡大によるマクロ経済の安定に対する中期的なリスクについて議論した」とし、その上で、「こうした環境では、融資基準が維持され、住宅ローン債権の回収能力バッファー(リスクを吸収するために必要なクッション)が適切であることが重要だ」とし、住宅ローン融資基準を厳格化する可能性を示唆した。

 QE(量的金融緩和)の買い入れ規模の縮小(テーパリング)方針については、RBAは7月会合で、国債などの資産買い入れ規模を変えず、9月以降、買い入れペースを現在の週50億豪ドル(月200億豪ドル)から同40億豪ドル(同160億豪ドル)に減速したが、今回の会合でもこの方針を据え置いた。QEの運用期間についても22年2月までとした。

 声明文では、前回会合で使われた「経済状況やデルタ株感染状況、完全雇用と物価安定の2つの目標の達成度合に照らし、見直しを行う」との文言を削除し、その代わりに、「完全雇用と物価目標を達成するため、かなり支援的な金融条件を維持する」とし、QE運用見直しについては慎重姿勢だ。

 景気の見通しについてロウ総裁は、「デルタ株感染拡大は景気回復を妨げており、GDP(国内総生産)は7−9月期にかなり低下する」とする前回会合時の見方を据え置いた上で、「景気は10−12月期には再び回復し、22年下期(7−12月)にデルタ株の感染拡大前の成長軌道に戻る」とした。ただ、「景気回復のタイミングとペースには不確実性があり、21年初めに想定していたよりも遅くなる可能性がある」と懸念も示している。

 インフレ見通しについては、「デルタ株の感染拡大に伴う経済活動の制限により、労働時間(現時点での労働市場の状況を示す最適な指標)は8月に4%近く(3.7%)減少し、賃金と物価の上昇圧力は抑制されたままだ」とし、懸念を示した。

 今後の金融政策の見通しについては、「インフレが持続的に2−3%の物価目標の範囲内に収まると確信するまで、政策金利を引き上げない」とのフォワードガイダンス(金融政策指針)を維持した。

 ロウ総裁は声明文で、「この(利上げ)条件を満たすには、労働市場が現在よりも大幅に高い賃金上昇を生み出すのに十分なほどタイトである必要がある」と述べている。これまでもロウ総裁は賃金と失業率を金融政策の前面に出し、失業率が5%を下回ることが賃金の上昇を引き起こすとの考えを示している。

 最新の8月失業率は4.5%と、7月の4.6%や6月の4.9%、5月の5.1%を下回り、10カ月連続で低下(改善)しているが、豪連邦統計局は、ロックダウン(都市封鎖)で仕事を探すことをあきらめ、労働市場から撤退した人を失業者に含めていないため、雇用市場の改善の兆候とは言えない、としている。

 次回会合は11月2日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社