金融・経済ニュース
米2月コアCPI、前月比0.1%上昇―市場予想下回る
2021-03-11 10:58:00.0
<チェックポイント>
●航空料金や中古車やアパレル、医療資材が大幅低下
●前年比1.3%上昇―FRB物価目標下回り、ゼロ金利政策維持へ
●米国債市場、10年国債利回り低下―金利上昇への警戒感が後退
米労働省が10日発表した2月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.1%上昇と、20年10月(0.1%上昇)以来4カ月ぶりの低い伸びとなり、市場予想の同0.2%上昇を下回った。一方、前年比も1.3%上昇と、市場予想および1月の1.4%上昇を下回り、11カ月連続でFRBの物価目標(2%上昇)を下回った。景気刺激のためのゼロ金利や量的金融緩和が当面維持される見通しに変化はなさそうだ。
債券市場では2月のコアCPIが抑制されたことを受け、10年国債利回りが0.014ポイント低下の1.551%と、前日終値時点の1.596%から急低下した。一方、長期金利上昇への警戒感が後退したことから、株式市場では買い安心感が広がり、ダウ工業株30種平均、S&P500種、ナスダック総合指数は上昇して取引を開始。ナスダックは下げて取引を終えたが、ダウとS&P500は終始堅調だった。
コア指数の前月比の内訳は、パンデミックの悪影響で需要が落ち込んだ航空各社の航空運賃が5.1%低下(1月は3.2%低下)と、3カ月連続で低下。次いで、ホテル宿泊料が2.7%低下(同2.2%低下)、中古車(乗用車とトラック)は0.9%低下(同0.9%低下)、アパレルは0.7%低下(同2.2%上昇)、医薬品や医療装置など医療関連資材は0.7%低下(同0.1%低下)、アルコール飲料は0.1%低下(同0.1%低下)となった。
対照的に、レンタカー料金は同7.4%上昇(1月は1.1%低下)、自動車保険が0.7%上昇(同1.6%上昇)、たばこ・喫煙具は0.6%上昇(同1.8%上昇)、メディカルケアサービス(処方せん代や病院治療費)は0.5%上昇(同0.5%上昇、そのうち、診療所の治療費は2.0%上昇(同1.6%上昇)となった。自動車修理は0.3%上昇(同0.2%上昇)、新車は横ばい(同0.5%低下)だった。
CPI全体指数(季節調整後)は2月の寒波で暖房需要が増加したため、エネルギーが大幅に上昇し、前月比0.4%上昇と、2カ月連続で伸びが加速し、市場予想と一致。20年8月の同0.4%上昇以来6カ月ぶりの高い伸びとなった。
エネルギーのうち、ガソリンは前月比6.4%上昇と、1月の7.4%上昇に続いて3カ月連続で高い伸びとなった。重油も同9.9%上昇と、1月の5.4%上昇を上回り、5カ月連続で伸びた。この結果、エネルギー全体では3.9%上昇(同3.5%上昇)と、伸びが加速した。
食品は0.2%上昇と、1月の0.1%上昇から伸びが加速し、20年12月の0.3%上昇以来、2カ月ぶりの高い伸びとなった。食品のうち、レストランなどで提供された外食価格は0.1%上昇と、1月の0.3%上昇から伸びが2カ月連続で減速。一方、自宅調理用の食品は0.3%上昇(1月は0.1%低下)に転じた。
市場では、雇用や経済成長が完全に回復するまでには時間がかかるため、当分の間はインフレ上昇圧力の弱い状況が続くが、バイデン米大統領の1兆9000億ドル(約200兆円)の追加景気刺激策や家計の1兆ドル超の超過貯蓄、インプット(労働力や資本、原材料などの生産投入)不足により、春ごろからインフレが加速し、年末までに2.3%上昇、また、年末から来年初めにかけて2.5%上昇となり、FRBの物価目標の2%上昇を超える可能性があるとみている。
一方、パウエルFRB議長は2月24日の上院銀行委員会の公聴会でも、「米経済はFRBの完全雇用と物価安定の目標の達成からはまだほど遠い。目標達成がかなり進展するには時間がかかる」とし、政府の財政支出拡大による物価上昇は一時的なものとの見解を変えていない。
<関連銘柄>
NASD投信<1545>、NYダウ投信<1546>、上場米国<1547>、
SPD500<1557>、NYダウ<1679>、NYダウブル<2040>、
NYダウベア<2041>
提供:モーニングスター社




