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金融・経済ニュース

英中銀、政策金利と量的緩和規模据え置きを決定―マイナス金利早期導入には慎重

2021-02-05 09:46:00.0

<チェックポイント>

●1000億ポンドのコロナ関連融資制度「TFSME」を据え置き

●英経済がパンデミック前の水準に戻るのは22年初め―BOE見通し

●1−3月期GDPは前期比マイナス4%超―BOE見通し

 イングランド銀行(BOE、英中銀)は4日、金融政策委員会(MPC)の結果を発表し、政策金利を過去最低水準の0.10%に据え置くことを全員一致で決めたことを明らかにした。市場予想通りだった。

 また、非伝統的な金融緩和措置である量的金融緩和(QE)の買い取り規模総額8950億ポンド(8750億ポンドの国債買い取り枠と200億ポンドの投資適格級の社債買い取り枠)も据え置いた。これも市場予想通りだった。BOEは20年11月会合で新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的大流行)で疲弊した景気を回復させるため、QEの規模を1500億ポンド増額している。

 このほかでは、中小企業や家計の資金繰りの悪化を防ぐための1000億ポンドのコロナウイルス関連特別融資制度「ターム・ファンディング・スキーム(TFSME)」の運用期限を10月末までとする措置も変更していない。これは20年3月の緊急会合で景気支援パッケージとして創設したもので、BOEが銀行に直接、政策金利(0.1%)と同じ低金利で資金を供給することにより、これらの資金が企業や家計に融資される仕組み。融資期間4年のタームローン(証書貸付)となっている。創設当初は1年間の時限付きだったが、前回会合で期限を21年4月から延長している。

 また、BOEは今回の会合時に同時発表した「金融政策リポート」の最新の経済予測で、直近の20年10−12月期GDP(国内総生産)見通しを19年12月末との比較で、前回予測(20年11月時点)のマイナス11%からマイナス8%へと改善方向に修正する一方、21年1−3月期の見通しを前期比マイナス4.2%と、前回発表した経済予測のプラス成長から悪化方向に修正した。その上で、「21年全体ではワクチン接種により、規制や国民の健康への懸念が緩和され、急速に回復する。経済全体の余剰生産能力は21年中に解消される」とした。21年のGDPは5.00%増(前回予測は7.25%増)、22年は7.25%増(同6.25%増)、23年は1.25%増(同1.75%増)と予想した。なお、20年は10.00%減(同11.00%減)になったと予想している。

 今後の金融政策については、前回会合時と同様、「2%上昇の物価目標が持続的に達成されるか、または、経済全体の余剰生産能力(spare capacity)が解消されない限り、金融引き締めは行わない」とした。また、「われわれは引き続き経済状況を注視し、もしインフレ見通しが一段と弱くなった場合には、われわれの使命(2%上昇の物価目標の達成)を達成するために必要な追加措置を講じる用意がある」と一段の金融緩和に含みを持たせた。

 今回の「金融政策リポート」では、21年のインフレ率見通しは2.00%上昇(前回20年11月予測も2.00%上昇)、22年は2.25%上昇(同2.00%上昇)、23年は2.00%上昇(同2.00%上昇)と予想しており、「インフレ率は経済予測期間(20−23年)の2年目(21年)と3年目(22年)に物価目標に収束する」としている。

 しかし、英国の金融機関の健全性を監督するBOE傘下の健全性規制機構(PRA)は4日、マイナス金利の導入に関するフィージビリティ(実現可能性)調査を公表。それによると、「マイナス金利導入後の短期間、金融機関のITシステムの手直しにより、一部の金融機関に悪影響が及ぶ可能性がある」としている。

 これに対し、BOEは議事抄録で、「PRAの金融機関への通知は、BOEが今すぐにもマイナス金利を導入するシグナル(合図)と誤解される」とした上で、「これはBOEの金融政策委員会が示したくないシグナルだ」と述べており、急ぐ必要性は感じていない。ただ、マイナス金利の導入についてはMPCメンバーの間で賛成派と慎重派に分かれている。

 BOEの次回会合は3月18日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社