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米20年10−12月期GDP、前期比4%増―年間では前年比3.5%減と11年ぶりのマイナス
2021-01-29 10:01:00.0
<チェックポイント>
●四半期GDP、経済活動再規制で個人消費の伸び鈍化
●コアPCE物価指数は1.4%上昇も、物価目標を大幅に下回る
●21年GDPの市場予想は前年比4.3%増―ワクチン接種や追加景気対策進む
米商務省が28日発表した20年10−12月期の実質GDP(国内総生産)・速報値は、季節調整済みで前期比年率換算4.0%増と、前7−9月期の同33.4%増から伸びが急速に鈍化した。新型コロナのパンデミック(感染症の世界的大流行)が再燃し、経済活動が制限され、雇用市場が悪化したことや、政府の9000億ドルの追加景気支援策の議会承認(20年12月20日)が数カ月遅れたことにより、個人消費が抑制された。ただ、2期連続の増加で、市場予想通りだった。
この結果、20年全体では前年比3.5%減と、09年(同2.5%減)以来11年ぶりの減少となり、第2次世界大戦の1946年以来、74年ぶりの大幅な落ち込みとなった。GDPは新型コロナワクチンの接種拡大とトランプ前政権の9000億ドルの追加景気支援策、バイデン新政権による1兆9000億ドルの新たな景気対策などにより、前年比4.3%増になると予想している。
10−12月期GDPの主な内訳は、全体の約7割を占める個人消費が2.5%増と、前7−9期の41.0%増から伸びが鈍化し、市場予想の3.1%増を下回った。ただ、2期連続で増加し、堅調を維持している。前期は政府の一時帰休中の従業員の給与を国が肩代わりする給与支援制度(総額250億ドル、20年9月末終了)とロックダウン解除で過去最高の伸び率となったが、10−12月期は新型コロナ感染者の急増でロックダウンが再開され、政府の給与支援も一時停止されたため、レイオフ(一時解雇)が広がり、消費は抑制された。
投資部門は住宅以外の民間投資が13.8%増(民間投資全体では25.3%増)と、前7−9期の22.9%増から伸びは鈍化したが、2期連続で増加し、堅調さを維持した。成長率寄与度は1.73ポイント(前期は3.2ポイント)。また、住宅投資は33.5%増と、住宅ローン金利が過去最低水準にあることやリモートワークへのシフトにより、住宅取得需要の根強さが確認された。
外需部門では、GDP押し上げ要因である輸出が22%増(前期は59.6%増)と、2期連続で増加した。一方、GDP押し下げ要因である輸入は29.5%増(前期は93.1%増)と、これも2期連続で増加した。輸入の伸びが輸出の伸びを上回ったため、貿易赤字は1兆1211億ドルと、前期より1021億ドル拡大した。その結果、純輸出(輸出額−輸入額)の成長率寄与度はマイナス1.52ポイント(前7−9期はマイナス3.21ポイント)となった。
一方、政府部門(政府消費支出と固定資本形成)は1.2%減と、前期の4.8%減に続いて2期連続で減少し、成長率寄与度もマイナス0.22ポイント(前7−9期はマイナス0.75ポイント)と、GDP全体を押し下げた。
また、今後の個人消費の先行きを占う意味で重視される可処分所得の伸びは季節調整前で前期比年率換算8.1%減(季節調整後の実質では9.5%減)と、前期の13.2%減(同16.3%減)に続いて2期連続で減少した。
インフレ動向を示し、名目GDP伸び率(6%増)から実質GDP伸び率を算出するときに使われる物価指数であるGDPデフレーターは、前期比年率換算で2.0%上昇と、前期の3.5%上昇と市場予想の2.4%上昇を下回った。一方、PCE(個人消費支出)物価指数も前期比年率換算1.5%上昇と、前7−9期の3.7%上昇から伸びが鈍化。FRB(米連邦準備制度理事会)が最も重視しているコアPCE物価指数(値動きが激しいエネルギーと食品を除く)も1.4%上昇(前7−9期は3.4%上昇)となり、FRBの物価目標の2%上昇を大幅に下回る低い伸びとなった。
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