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金融・経済ニュース

英・EUのFTA交渉は漁業権問題で難航―合意なきEU離脱の公算大(1)

2020-12-24 14:08:00.0

 英国とEU(欧州連合)のFTA(自由貿易協定)など通商協議が大詰めを迎えた12月初め、EUは英国の領海内での10年間の操業継続とEU漁船の漁獲量削減を18%にとどめるという英国が納得しがたい提案を行った。これに対し、英政府はあくまでも領海主権と漁業権を完全に取り戻すことが重要だと主張。12月7日夕のジョンソン英首相とEUのフォンデアライエン欧州委員長との2回目の電話会談も不調に終わった。

 EUのブレグジット首席交渉官であるミシェル・バルニエ氏は12月17日、声明分を出し、「英国が領海内の漁業権に対するコントロール(支配権)の拡大を要求すれば、その代わり、英国のEU市場へのアクセスは制限されることになる」と最後通牒を突き付け、漁業権交渉で英国に譲歩しない考えを示した。

 これに対し、ジョンソン首相は、「12月31日まで協議を継続する。ドアは開かれている」と反論。EUの最後通牒を突っぱねた。ジョンソン首相は12月18日の英ニュース専門局スカイニュースのインタビューで、「英国は自国の法律によって統治し、領海と漁業権に対する主権を取り戻すことが合意の大前提だ」とノーディール・ブレグジット(合意なしのEU離脱)も辞さない構えだ。

 英国はEU離脱による激変緩和措置として1月から1年間の限定で導入された移行期間が12月31日深夜に終了し、自動的にEUから離脱する。英国はそれまでにEUとFTA締結協議で合意しなければならない。FTA協議の最大の難関となっているのが英国領海内の英国とEUの漁獲量をめぐる協議だ。

 英国は5年間(当初は3年間を主張)の移行期間を設け、その間に段階的にEUの漁獲量の上限枠を減らし、移行期間の終了時点で今よりも50%削減(当初60%削減)を要求した。これに対し、EUは7年間(当初10年間)の移行期間終了後、EUの漁獲枠を25%削減(当初18%削減)すると主張し、双方は少しずつ歩み寄りを見せているものの、依然として合意できていない。現在、英国領海内の漁獲量の60%超がEUなどの外国漁船によって捕獲されている。

(2)につづく

提供:モーニングスター社