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米5月雇用統計、非農業部門雇用者数は予想外の前月比250.9万人増
2020-06-08 09:16:00.0
<チェックポイント>
●非農業部門雇用者数、一時帰休者の職場復帰で増加に転じる
●失業率は13.3%―4月の14.7%から低下、市場予想19.9%に反し改善
●雇用者数急増で景気回復期待高まり米10年債利回り急上昇
米労働省が5日発表した5月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比250万9000人増と、3−4月の大幅減少から増加に転じた。市場予想は725万−850万人減だったため、サプライズとなった。新型コロナウイルス(COVID−19)のパンデミック(世界流行)を受けた外出制限などのロックダウン(都市封鎖)が緩和され、全米各地で経済活動が再開し始めたことを受け、一時帰休していた270万人が職場復帰したことが主因。
過去3カ月(2−4月)の非農業部門雇用者数は、2月が前回発表の前月比23万人増から同25万1000人増に上方改定されたが、3月が同87万人減から同137万3000人減に、4月が同2050万人減から同2068万7000人減に、いずれも下方改定され、3カ月で計66万9000人の下方改定となった。ただ、5月が増加に転じたため、過去3カ月間(3−5月)の月平均の雇用者は651万7000人減と、4月時点の727万人減から改善を示した。
業種別では、建設業や製造業に加え、パンデミックの影響を最も強く受けたサービス業、なかでもレジャー・接客業(主にレストラン・バーなどの飲食業)や専門・ビジネスサービス業、小売業、教育・ヘルス(健康サービス)業が軒並み大幅増加に転じた。これらの業種だけで計285万人増となり、民間部門の309万人増の92%を占めた。
一方、失業率は13.3%と、4月の14.7%から低下し、市場予想の19.9%を下回った。
また、いわゆる、広義の失業率(狭義の失業者数に仕事を探すことに意欲を失った労働者数と経済的理由でパート労働しか見つからなかった労働者数を加えた実質の失業率)は4月の22.8%から21.2%に低下した。
失業者数のうち、約70%に相当する1534万3000人(4月は1806万3000人)はパンデミックを受けた経済活動の自粛によって発生した「一時帰休による失業者」に分類されている。5月はこの一時帰休者数が4月に比べ272万人減少しており、その分、5月の経済活動の再開により、職場復帰したことを意味する。
非農業部門雇用者数が予想に反して増加に転じ、失業率も改善したことから、景気回復の兆しが示されとして、米10年債利回りが一時0.12ポイント上昇し、0.942%と高水準を付けた。これを受け、市場の一部では雇用者数が急回復したことを受け、米経済はすでに回復軌道に入ったと見ており、FRB(米連邦準備制度理事会)がゼロ金利を数年間続ける可能性は後退し、ゼロ金利は今後数四半期で終わるとの見方が浮上してきた。
労働市場への参加の程度を示す労働参加率(軍人を除く16歳以上の総人口で労働力人口を割ったもの)も60.8%と、4月の60.2%を上回った。
平均時給は、前月比1.0%減と、4月の同4.7%増や3月の同0.5%増から減少に転じ、市場予想の同2.2%増を大幅に下回った。これは経済活動の再開に伴い、サービス業を中心とした多くの低賃金労働者が職場復帰したことが主因。前年比も6.7%増と、4月の8.0%増を下回った。
<関連銘柄>
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提供:モーニングスター社




