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米1−3月期実質GDP、前期比4.8%減―市場予想以上の大幅下落
2020-04-30 10:01:00.0
<チェックポイント>
●新型コロナ感染拡大で個人消費と輸出が急ブレーキ
●住宅投資と政府部門の大幅増加が下支え
●コアPCE物価指数は1.8%上昇―FRBの物価目標を下回る
米商務省が29日発表した20年1−3月期の実質GDP(国内総生産)・速報値は、中国で発生した新型コロナウイルス(COVID−19)のパンデミック(感染症の世界流行)による需要の減少に加え、政府による感染拡大防止の経済抑制策の悪影響を受け、季節調整済みで前期比年率換算4.8%減と、19年10−12月期の2.1%増から大きく悪化した。マイナス成長は14年1−3月期(1.1%減)以来6年ぶり。下落幅も市場予想の3.5−3.8%減を下ブレし、08年10−12月期(8.4%減)以来約12年ぶりの大幅減となった。
市場では、3月下旬から経済が急速に悪化していることから、今夏までに経済活動が再開されたとしても4−6月期GDPは25−65%減になると予想している。ただ、経済活動が早期に再開すれば7−9月期GDPは回復するという見方がある。
GDPの主な内訳は、全体の約7割を占める個人消費が7.6%減と、前期の1.8%増から急激に落ち込んだ。投資部門も住宅以外の民間投資は8.6%減(民間投資全体では5.6%減)と、前期の2.4%減を大きく下回り、4期連続で減少。また、外需部門でもGDP押し上げ要因である輸出が8.7%減(前期は2.1%増)と、3四半期ぶりに減少に転じた。
GDPを下支えしたのは住宅投資で、住宅ローン金利の急速な低下を追い風に21%増と、前期の6.5%増を大幅に上回り、3期連続の増加となった。ただ、コロナ危機が強まっていることから、4−6月期は減少が予想される。また、外需のうち、GDP押し下げ要因である輸入は15.3%減(前期は8.4%減)と2期連続で減少したことにより純輸出(輸出額−輸入額)が拡大し、GDPを1.3ポイント押し上げた。
政府部門(政府消費支出と固定資本形成)も0.7%増と、前期の2.5%増に続いて5期連続で増加し、GDP成長率寄与度も0.13ポイントとGDP全体を支援した。GDP成長率寄与度は、GDPを構成する各項目の伸びがGDP全体の伸びに占める比率で、合計するとGDP全体の伸び率となる。
個人消費の成長率寄与度はマイナス5.25ポイントと、前期の1.24ポイントから大幅に低下した。
個人消費の先行きを占う意味で重視される可処分所得の伸びは、季節調整前で前期比年率換算1.9%増(季節調整後の実質では0.5%増)と前期の3%増(同1.6%増)を大幅に伸びが鈍化した。一方、可処分所得に対する貯蓄の割合である貯蓄率は消費手控えで9.6%と、前期の7.6%を上回った。
住宅投資を除いた民間投資は8.6%減と4期連続の減少となり、GDP寄与度もマイナス1.17ポイント(前期はマイナス0.33ポイント)となった。このうち、事業所ビルや工場、石油掘削リグなどの建物に対する投資は9.7%減(前期は7.2%減)と4期連続で減少した。他方、企業の機械設備投資も15.2%減(同4.3%減)と3期連続で減少し、依然低迷している。
PCE(個人消費支出)物価指数も前期比年率換算1.3%上昇と前期の1.4%上昇から伸びがやや減速した。FRBが最も重視しているコアPCE物価指数(値動きが激しいエネルギーと食品を除く)は1.8%上昇(前期は1.3%上昇)と加速したが、FRBの物価目標の2%上昇を下回っている。
<関連銘柄>
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提供:モーニングスター社




