金融・経済ニュース
英中銀緊急会合、0.15ポイント緊急利下げ―金融ひっ迫で国債買い入れ増額へ
2020-03-23 09:13:00.0
<チェックポイント>
●全員一致で2000億ポンド資産買い入れ増額を決定―市場予想大幅に上回る
●量的金融緩和はトータルで6450億ポンドに拡大へ
●今後、コマーシャルペーパーの買い入れ増額にシフト―市場観測
イングランド銀行(BOE=英中銀)は19日、緊急金融政策委員会(MPC)を開き、政策金利を全員一致で0.15%ポイント引き下げ、過去最低の0.10%とすることを決めた。中国で発生した新型コロナウイルス(COVID−19)による英国経済への悪影響の緩和や、企業や家計のキャッシュフローの悪化を防ぐ。
BOEは8日前の11日にも0.50ポイントの大幅な緊急利下げを実施したばかり。今回、BOEが2回目の緊急利下げに踏み切った背景には、ここ数日間で英国の国債市場が新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界流行)の悪影響を懸念した投資家の換金目的のパニック売りで流動性がひっ迫する状況となったことがある。
このため、BOEは非伝統的な金融緩和措置である量的金融緩和(QE)の規模を2000億ポンド(約25.9兆円)拡大し、国債買い入れを増額することを決めた。市場では買い入れ増額の規模を600億ポンドと予想していたため、その3倍以上の2000億ポンドの増額はサプライズとなった。
今回の追加利下げでゼロ金利に近づいたこともあるが、市場では政府が11日に発表した新年度予算で、300億ポンドのコロナ感染対策を含む景気刺激策を発表したことを受け、今後、国債増発が懸念されたことも国債買い入れ増額決定の大きな要因になったとみている。
BOEは会合後に発表した声明文で、「最近の数日間で、投資家が(長期国債を売って)換金性の高い短めの債券にシフトしたため、英国も含め、多くの先進国の国債市場が悪化し、金融がタイト(金融ひっ迫)になった」と指摘した上で、「そのため、2000億ポンドの資産買い入れの大半は国債になる」とした。
これを受け、政策決定の発表直後、英10年国債の価格が上昇し、債券利回りは0.06−0.075ポイント低下した。市場では、今回の2000億ポンドの資産買い入れが終了すれば、次にBOEは国債以外の資産買い入れ対象として、コマーシャルペーパー(CP)の買い入れ増額にシフトすると予想している。
BOEは既存の資産買い取りスキームを通じ、4350億ポンドの国債の買い取り枠と100億ポンドの投資適格級の社債買い取り枠を運用しており、今回の2000億ポンドの増額により、トータルの資産買い入れ額は6450億ポンドとなる。
前回3月11日の緊急会合では、BOEは景気支援パッケージとして、ウイルス感染による中小企業や家計の資金繰りの悪化を防ぐため、1000億ポンドのコロナウイルス関連特別融資制度「ターム・ファンディング・スキーム(TFSME)」を1年間の時限で創設することも決めている。これはBOEが銀行に直接、低金利で資金を供給することにより、これらの資金が企業や家計に融資される仕組み。融資期間4年のタームローン(証書貸付)となっており、企業や家計は一括、または一定期間内の分割で融資が受けられる。FTSME金利は政策金利(0.10%)と同じか、それに近い低金利が適用されるとしている。
提供:モーニングスター社




