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金融・経済ニュース

RBA緊急理事会、0.25ポイント追加利下げ―900億豪ドルの量的金融緩和導入

2020-03-23 09:07:00.0

<チェックポイント>
●「新型ウイルスは経済や金融システムに大きな影響及ぼしている」と判断

●「今後、失業者数が相当増える」と予想

●3年国債利回り達成目標を0.25%に設定―国債買い入れ開始

 豪準備銀行(RBA)は19日の緊急理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)を0.25ポイント引き下げ、過去最低の0.25%とすることを決めた。中国で発生した新型コロナウイルス(COVID−19)のパンデミック(感染症の世界流行)による豪州経済への悪影響を抑制し、景気を支援する。

 RBAは前回3月3日の定例理事会で5カ月ぶりに利下げに踏み切ったばかりで、3月だけで2回の利下げを行った。

 また、RBAは初の量的金融緩和(QE)措置として、金融システムのへの流動性を潤沢供給するため、900億豪ドル(約5.8兆円)規模の期間3年のタームローン(証書貸付)ファシリティ「TFF」を導入することや、投資家による資産の換金売りで豪州国債がパニック的に売られ、国債市場が機能不全となっていることを受け、3年国債の利回りの達成目標を0.25%に設定した上で、20日から流通市場で国債買い入れを開始することも決めた。3年国債の利回りは変動金利型の住宅ローン金利に影響を与えるため、RBAは利回り低下が家計の負担軽減に寄与することを期待している。政策発表後、利回りは一時、0.16ポイント低下の0.34%に急低下した。

 TFFは銀行への流動性を増やすことにより、中小企業のキャッシュフローを支援するのが目的で、銀行は融資残高の3%を限度に0.25%の低金利でタームローンを利用できる。これは銀行が中小企業への融資を増やせば、追加のタームローンをRBAから借りることができる仕組み。RBAは「今回の措置は相互に作用し合い、経済全般にわたって資金調達コストの引き下げと信用供与の支援に寄与する」としている。同ローンの利用対象はRBAの130行を超える公認預金銀行(ADI)で、4月16日までに利用が可能になるとしている。

 このほか、RBAは1カ月物と3カ月物、6カ月物のレポ取引(売り戻し条件付)オペを通じ、金融システムに流動性を潤沢に供給することも決めた。

 RBAは会合後に発表した声明文で、緊急利下げを決めたことについて、「新型コロナウイルスは経済や金融システムにも大きな影響を与えている。世界中の経済活動に大きな混乱が生じている」とした上で、「金融・財政政策を含む他の政策手段は、ウイルスに起因する経済・金融の混乱を軽減する上で重要な役割を果たす」とした。また、RBAは今回の緊急利下げがFRB(米連邦準備制度理事会)やBOE(イングランド銀行)、RBNZ(ニュージーランド準備銀行)のウイルス対策の緊急利下げに呼応した協調利下げとしている。

 今後の金融政策の見通しについて、「完全雇用に向けた進展がみられ、インフレが持続的に2−3%の目標範囲内に収まると確信するまで政策金利を引き上げない」とし、現在の低金利を今後数年間継続する、とのフォワードガイダンスを示した。

 ロウRBA総裁は、ウイルス感染の悪影響について、「オーストラリアの経済活動や収入への大打撃が今後、数カ月と長期化する。その間、失業者数がかなり増えると予想している」とした上で、「政策金利は現在の低金利の水準で、数年間続く。3年国債の利回りの設定目標は将来、利上げが再開される前に解除される」と語っている。

 次回会合は4月7日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社