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米2月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比27.3万人増―市場予想大幅に上回る
2020-03-09 09:55:00.0
<チェックポイント>
●平均時給は前年比3%増―市場予想通り
●失業率は3.5%―1月は3.6%
●市場、強い雇用統計でも株安・利回り低下―追加利下げ催促するシグナルか
米労働省が6日発表した2月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比27万3000人増と1月と並び2カ月連続で高い伸びとなり、市場予想の16万5000−17万5000人増を大幅に上回った。
市場では、雇用者数の急増は1月に続いて暖冬となったことが大きいと見ている。特に建設業が暖冬を受け増勢を維持した。
また、過去2カ月の新規雇用者数が上方改定された。19年12月は前回発表の前月比14万7000人増から同18万4000人増に、1月も同22万5000人増から同27万3000人増と、計8万5000人増の上方改定となった。
この結果を受け、過去3カ月間(19年12−20年2月)の月平均の雇用者増は24万3000人増と、1月時点の過去3カ月間(19年11−20年1月)の月平均23万9000人増から加速した。
失業率は3.5%と、1月と市場予想の3.6%を下回り、1969年12月の3.5%以来の50年ぶりの低水準が続いている。労働市場への参加の程度を示す労働参加率(軍人を除く16歳以上の総人口で労働力人口を割ったもの)は63.4%と、1月と変わらず、13年8月以来6年5カ月ぶりの高水準が続いている。
また、市場が注目していた賃金(平均時給)の伸びは雇用市場がタイトとなっていることから、前月比0.3%増と1月の同0.2%増を上回り、市場予想と一致した。前年比では3.0%増と、1月の3.1%増を下回ったが、これも市場予想と一致した。
ただ、2月雇用統計が中国で発生した新型コロナウイルス(COVID−19)の世界的感染拡大が起きる前の2月中旬までのデータを反映しているため、市場では3月以降の統計で、ホテルや旅行会社の予約キャンセルの急増や航空機の減便を発表するなどウイルス感染拡大の影響が顕著に表れ、雇用市場の見通しが悪化するリスクが今後1カ月間で急速に高まると懸念している。
こうした雇用市場の先行き悪化見通しを受け、統計発表後、ニューヨーク証券取引所ではダウ工業株30種平均が急落し、債券市場でも10年国債利回りが同日午前10時6分時点では0.219ポイント安の0.696%と、一段と低下し1%割れが続いた。
市場では、雇用統計発表後の株安や長期国債利回り低下について、FRB(米連邦準備制度理事会)が3日にウイルス感染拡大による米景気の後退リスクに対する「保険」措置として、0.50ポイントの緊急利下げに踏み切ったものの、下げ幅は不十分で、FRBにさらなる利下げを催促するシグナルだとみている。
また、市場ではFRBの今後の追加利下げの見通しについて、ECB(欧州中央銀行)のようなマイナス金利には関心がないことから、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標をあと1.00ポイント引き下げ0.00−0.25%と、ゼロ金利にまで引き下げる可能性があるとみている。ウイルス感染拡大で米経済の見通しがかなり不透明になっている状況では、今後のフォワードガイダンス(金融政策の指針)で、現在、量的金融緩和(QE)の一環として行っている国債の買い取りを増額する可能性があると見ている。
<関連銘柄>
NASD投信<1545>、NYダウ投信<1546>、上場米国<1547>、
SPD500<1557>、NYダウ<1679>、NYダウブル<2040>、
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提供:モーニングスター社




