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英中銀、賛成多数で政策金利と量的緩和策を維持―EU離脱決定で不確実性後退
2020-01-31 10:40:00.0
<チェックポイント>
●2人の委員が0.25ポイント利下げを主張―3会合連続
●19年10−12月期GDP見通しを前期比0.1%増から同横ばいに下方修正
●インフレ率は22年時点で2%上昇をやや上回る水準に加速との見方を維持
イングランド銀行(BOE、英中銀)は30日、金融政策委員会(MPC)の結果を発表し、政策金利を7対2の賛成多数で現状の0.75%に据え置くことを決めた。2人の委員は19年11月から3会合連続で利下げを主張した。
BOEは資産買い取りスキームを通じた量的金融緩和策(QE)について、全員一致で国債の買い取り枠を4350億ポンド(約62兆円)、投資適格級の社債買い取り枠を100億ポンドと、いずれも現状通りとすることを決めた。
将来の利下げの可能性について、会合後の声明文で、「もし世界と英国の経済活動に関する最近の良好な経済指標の多くが今後も持続しなければ、また、低い物価水準が続けば、今後、英国のGDP(国内総生産)成長率の回復を強める金融政策が必要になる」と述べ、将来の利下げの可能性に含みを残している。今回が任期最後の会合となるマーク・カーニー総裁も会合後の会見で、「世界景気の回復が期待したほど強くなければ英国の経済成長を高める金融政策が必要になるかもしれない」と利下げに含みを持たせている。
一方、BOEは19年10−12月期GDPを従来予想の前期比0.1%増から同横ばいに下方修正した。
BOEは声明文で、賛成多数で現状維持を決めた理由について、英国景気の先行き見通しが改善し、EU(欧州連合)からの離脱も決まり不確実性が後退したことを挙げている。この点について、「(米中)貿易摩擦が緩和し、多くの中央銀行が大幅な金融緩和に転換したことで、世界経済の成長が安定してきた」とした上で、「国内的にも企業の投資意欲が改善し、多くのセクターで経済活動が上向いている。消費者信頼感指数も上昇し、企業や家計が直面している目先の先行き不透明感は後退している」と指摘。さらには、「英国のGDP成長率は20年前半にやや加速する見通し。英EU離脱問題の先行き不透明感の一段の低下や政府の積極財政、世界景気の回復により、英国の景気回復が下支えられる」と楽観的に見ている。
インフレ見通しについては、「英国経済全体の余剰生産能力は経済予測期間(22年まで)の前半の段階で徐々に低下し、需要の伸びが供給の伸びを上回る需要過多の度合いが高まる」とした上で、「CPI(消費者物価指数)は、20年と21年の大半は物価目標を下回るが、その後は物価上昇圧力が高まり、21年末までには物価目標に達する。予測期間の終了(22年)時点で物価目標をやや上回る水準に加速する」と楽観的な見方を示した。
BOEの最新の11月金融政策報告書によると、インフレ率は20年4−6月期には1.2%上昇に鈍化するとしているが、第4四半期時点でみたCPI伸び率は19年が1.4%上昇、20年は1.5%上昇、21年は2%上昇と、物価目標と一致し、22年には2.2%上昇になると予想している。
英国は1月31日のEU離脱後、EU離脱の激変緩和措置として20年12月末までの移行期間に入る。ジョンソン英首相は3月からEUとの漁業交渉や自由貿易協定の締結協議に取り掛かかるが、移行期間の延長禁止条項が新EU離脱協定に新たに盛り込まれたことから、市場では合意なき離脱の可能性が一段と高まったとみる向きもある。
BOEの次回会合は3月26日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




