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金融・経済ニュース

FOMC、2会合連続で政策金利据え置きを決定―市場の年内利下げ観測やや後退

2020-01-30 10:17:00.0

<チェックポイント>
●IOER(超過準備預金金利)を0.05ポイント引き上げの1.60%に「微調整」

●流動性供給による短期金利上昇阻止の現先オペ(TB買い取り)を4月末まで延長

●家計消費支出の現状認識を「緩やかなペースで拡大」へ下方修正

 FRB(米連邦準備制度理事会)は29日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を現状の1.50−1.75%に据え置くことを全員一致で決めた。据え置きは19年12月の前回会合に続いて2会合連続。市場予想通りだった。

 政策金利の据え置きを決めたことについて、声明文で、「現在の金融政策は経済活動の持続的拡大と強い雇用市場の状況を維持し、インフレ率をシメントリック(上下が対称)な物価目標2%上昇に収束させるのに適切だと判断した」と前回会合時と同様の見解を示している。

 一方、IOER(超過準備預金金利)を0.05ポイント引き上げて1.60%とした。引き上げた理由について、声明文では、「FF金利を誘導目標の1.5−1.75%の範囲内に維持するため」としている。パウエル議長も会見で、「金融政策のテクニカルな微調整」との判断を示した。いずれも市場の想定内だった。

 IOERは、市中銀行がFRBに預け入れることが義務付けられている準備預金の所要準備を上回る準備預金の預入額(超過準備預金)に付与される金利で、平常時にはIOERがFRBのFF金利誘導目標のレンジの下限となるが、超金融緩和時にはFF金利の上限となる。今回の場合のように、IOERが引き上げられれば、市中銀行がFRBの当座預金口座に預ける準備預金を保持するメリットが高まり準備預金が増加する。その分、市場の流動性が減少し、短期金利を押し上げる効果が期待される。

 さらに、今回の会合でも、オーバーナイトか1日以上の現先オペの継続する一方で、19年7月会合で決定したバランスシート縮小(国債・MBS買い取り減額)計画の終了も確認した。

 一方、TB(短期国債)買い取りの期限については4月末まで延長した。ただ、パウエル議長は会合後の会見で、「われわれは徐々にTB買い取りは縮小する計画だ」と指摘した。市場の一部では月600億ドルのTB買い取りによるバランスシートの拡大は株価上昇の温床となり、金融市場のバブル崩壊につながるとの懸念がある。

 また、パウエル議長は中国湖北省武漢で発症した新型コロナウイルスによる新型肺炎の感染拡大による世界経済への悪影響について、「どんな影響が及ぶか言うには時期尚早だ」とし、当面は注視したい考えを示した。

 声明文によると、景気の現状認識については、前回会合時と同様、「経済活動は成長を持続し、力強い雇用市場が続いている」とし、「経済活動は緩やかな伸び(鈍化)になっている」との文言を据え置き、「輸出は依然弱い」との文言も残した。ただ、家計消費支出の現状認識については、前回会合時の「強いペースで拡大」から「緩やかなペースで拡大」に下方修正された。

 また、インフレの現状認識についても前回会合時と同様、「インフレ率は全体指数とコア指数がいずれも物価目標の2%上昇を下回っている」とし、その上で、「市場のインフレーション・コンペンセーション(期待インフレ率)は変わっていない」との文言を残した。これはインフレ率が物価目標を下回り続けていることに懸念を示す。インフレの先行き見通しについては、FRBは前回12月会合で、前々回(昨年10月)の会合時に使われた「インフレ率がシメントリック(上下が対称)な物価目標の2%上昇近辺に達する可能性が最も高い」との文言を削除したが、今回も見通しには言及していない。

 FOMCを受け、ニューヨーク証券取引所ではダウ工業株30種平均が上げ幅を縮小。債券市場で10年国債の利回りはほとんど変わらなかったが、FF金利先物市場ではFRBの年内1回の追加利下げの確率が低下した。

 次回会合は3月17−18日に開かれる予定。

<関連銘柄>
 NASD投信<1545>、NYダウ投信<1546>、上場米国<1547>、
 SPD500<1557>、NYダウ<1679>、NYダウブル<2040>、
 NYダウベア<2041>

提供:モーニングスター社