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FOMC、全員一致で政策金利据え置きを決定―20年末まで金利据え置き示唆
2019-12-12 10:38:00.0
<チェックポイント>
●大半の委員が20年末まで政策金利据え置きを示唆
●米国経済も金融政策もちょうど良い状態―パウエルFRB議長
●失業率見通しは前回から改善方向へ修正
FRB(米連邦準備制度理事会)は11日のFOMC(公開市場委員会)会合で、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を1.50−1.75%に据え置くことを全員一致で決めた。全員一致は5月の会合以来、5会合ぶり。据え置きは市場予想通りだった。
今回の会合では、20年末まで政策金利を据え置く見通しも明らかにした。同時発表された17人のFOMC委員による最新の経済・金融政策見通しで示されたもので、FF金利水準の予測を示す「ドット・プロット」の中央値が19年、20年ともに1.6%と、現状維持が続くと予想されている。前回9月予測時点はどちらも1.9%だった。ただ、21年は1.9%、22年も2.1%と、いずれも年1回の利上げが予想されている。ニュートラルな金利水準(中立金利)とする長期見通し水準は2.5%と、これは前回9月予測時点と変わっていない。
FRBは会合後に発表された声明文で現状維持を決めたことについて、「現在の金融政策は経済活動の持続的拡大とタイトな雇用状況を維持し、インフレ率をシメントリック(上下が対称)な物価目標2%上昇に収束させるのに適切だと判断した」とした。ただ、前回10月会合で使われた「こうした見通しの先行きは依然不透明だ」との文言が削除された。
米中通商協議の第1段階合意の調印時期が未定となっていることや英国のEU(欧州連合)離脱、世界経済の減速など、世界情勢の先行き不透明感は完全に払しょくされていないものの、過去3回(7月、9月、10月)の利下げ効果を測るため、また、今後の経済指標が景気に与える影響を見るため、バイアス(金融政策に対する姿勢)を「ニュートラル(中立)」とし、21年から利上げを開始する可能性を示している。パウエルFRB議長は会合後の会見で、「今の米国経済も金融政策もちょうど良い状態(in a good place)にある」と指摘し、利下げ休止の潮時との判断を示した。
FRBの声明文やFOMC委員の経済・金融政策見通しの発表を受け、米国債市場では長期金利の指標である10年国債の債券価格と反対方向に動く利回りが1.785%にまで急低下した。
10年国債利回りが急低下したのは、パウエル議長が会見で、短期金融市場での流動性がひっ迫する状況を回避するため、利付債(期間短めの国債)の買い取りを開始する可能性を示唆したためだ。
FRBは、景気の現状認識については、前回会合時と同様、「経済活動は成長を持続し、力強い雇用市場が続いている」としたが、「経済活動は緩やかな伸び(鈍化)になっている」との文言を据え置き、「輸出は依然弱い」との文言も残した。
FOMC委員の最新予測(中央値)では、FRBが最も重視するコアPCE(個人消費支出)物価指数は、19年が1.6%上昇と、前回予測の1.8%上昇を下回り、2.0%上昇の物価目標を大幅に下回るとした。ただ、20年の1.9%上昇、21年と22年の2.0%上昇は前回予測から変わっていない。
GDP(国内総生産)伸び率見通しも、19年が2.2%増、20年は2.0%増、21年は1.9%増、22年は1.8%増、長期予想は1.9%増と、20年以降の減速を予想した前回予測に変更はない。一方、失業率の見通しは、19年が前回予測の3.7%から3.6%、20年は同3.7%から3.5%、21年は同3.8%から3.6%、22年は同3.9%から3.7%に、長期見通しも同4.2%から4.1%に引き下げられた。
次回会合は20年1月28−29日に開かれる予定。
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