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金融・経済ニュース

英中銀、賛成多数で政策金利と量的緩和策を維持―2委員が0.25ポイント利下げを主張

2019-11-08 10:32:00.0

<チェックポイント>
●2委員の利下げ主張受け、市場では近い将来の利下げ観測強まる

●4−6月期に続く2期連続GDPマイナス成長回避の見通し

●「10−12月期GDP伸び率は同0.2%増に鈍化する」と予想

 イングランド銀行(BOE、英中銀)は7日、金融政策委員会(MPC)の結果を発表し、政策金利を7対2の賛成多数で現状の0.75%に据え置くことを決めた。現状維持は市場予想通りだった。

 また、資産買い取りスキームを通じた量的金融緩和策(QE)については、全員一致で国債の買い取り枠を4350億ポンド(約60.9兆円)、投資適格級の社債買い取り枠を100億ポンドと、いずれも現状通りとした。

 前回9月会合では全員が現状維持で一致し、BOE全体としては、まだ利下げを検討するところまで鮮明な姿勢を示していなかった。それだけに、今回の会合で、ジョナサン・ハスケル氏とマイケル・サンダース氏の2委員が0.25ポイント利下げを主張したのは市場にとってサプライズとなった。市場ではBOEのハト派スタンスが強まったと受け止め、近い将来、利下げに向かう可能性があるとの見方が強まった。ロンドンの外為市場では金融政策決定の発表直後、1ポンド=1.2835ドルと、ポンドがドルに対し0.16%下落している。

 BOEの金融政策決定で委員の判断が分かれたのは18年6月以来1年5カ月ぶり。会合後に公表された議事抄録で2委員は、「英国経済全体の余剰生産能力が緩やかながら高まってきた。その一方で、コアインフレ率は低下している。失業率などはタイトな雇用市場を示しているとはいえ、これは遅行指標となる可能性があり、雇用市場は(悪化方向に)転換した可能性がある」と指摘し、「インフレ率を物価目標に向かって持続的に上昇させるため、景気刺激が必要だと主張した」としている。

 BOEは会合後に発表した声明文で、景気の現状認識について、「ブレグジット(英国による欧州連合からの離脱)の先行きの不透明感と世界景気の減速により、足元の英国経済は今年に入ってかなり減速した。供給過多(デフレ圧力)の状態となっている」とし、ブレグジットと世界経済の減速が依然として景気下ブレリスクになっているとの見方を示した。

 一方、BOEがこの日発表した11月金融政策報告書(旧・四半期インフレ報告書)では、19年7−9月期GDP(国内総生産)伸び率を8月予測時の前期比0.2%増から同0.4%増に上方修正し、4−6月期の同0.2%減からプラス成長に戻ると予想している。これはリセッションの定義とされる2期連続のマイナス成長を回避できる見通しを示すものだ。ただ、10−12月期は同0.2%増と、伸びが減速するとしている。さらに、20年全体の成長率も1.2%増と、8月予測の1.3%増から下方修正されており、09年以来11年ぶりの低い伸びとなる見通し。経済予測の最終年(22年)時点の成長率も8月予測に比べ約1%下回っており、これは市場のサプライズとなった。主に世界経済減速の影響を反映したものだ。

 インフレ見通しについては、「インフレ圧力は短期的には弱まる見通し。9月のCPI(消費者物価指数)は前年比1.7%上昇だったが、来春にはエネルギー価格の下落など一時的な影響を受け、1.25%上昇に減速する」と短期的にはデフレ圧力が強まると見ているが、「経済予測期間の後半(21−22年)には、英国経済がかなりの需要過多(インフレ圧力の上昇)となり、予測期間の終了(22年)時点ではCPIは2%上昇をやや上回る水準に加速する」と長期的には上向くとの見方を示している。

 今後の金融政策の見通しについては、「(経済見通しのリスク要因として)今後のブレグジット先行きや世界経済情勢を注視する必要がある」とした上で、「インフレ率を2%上昇の物価目標に持続的に戻すため、金融政策は英国の経済見通しがどうなるかによって(利下げか利上げか)どちらかに向かう可能性がある」と述べ、現時点では金融政策を一方向に決められないとした。

 11月金融政策報告書によると、OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ=翌日物無担保コールレートと固定金利を交換する金利)でみたBOEの第4四半期時点の政策金利見通しは、19年が0.70%、20年以降は22年まで0.50%になると予想している。

 BOEの次回会合は12月19日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社