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RBA、市場予想通り政策金利を据え置き―6月以降の利下げ効果を確認
2019-11-05 15:44:00.0
<チェックポイント>
●「完全雇用と物価目標の達成には当分の間低金利が必要」の文言残す
●「景気持続と完全雇用、物価目標の達成で必要あれば追加金融緩和」の文言残す
●「世界経済見通しのリスクは下ブレ」との見方を変えず
豪準備銀行(RBA)は5日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)を0.75%に据え置くことを決めた。市場予想通りだった。
RBAは景気刺激のため、6月に16年8月以来3年ぶりに0.25ポイント引き下げ、翌7月にも2会合連続で同率引き下げたが、8月会合では過去2回の利下げの効果を見るため、現状維持を決め、2会合連続で据え置いた。前回10月会合では3カ月ぶりに利下げを再開し、今年に入ってから3回目の利下げを決めていた。
RBAは政策の現状維持を決めたことについて、「6月以降の(過去3回の)利下げによって、豪州の雇用と所得の伸びが下支えられ、インフレ率が中期の物価目標に向かって収束(加速)するのに寄与している」と利下げ効果が現れてきたことを認めた。
前回会合では、「雇用と所得の伸びを下支えし、インフレ率を中期の物価目標(2−3%上昇)に収束させるため、政策金利をもう一段引き下げた」と説明したが、今回の会合では、「雇用は強い伸びを示し、労働の供給の強い伸びと需要が整合している」とした上で、「失業率はこの数カ月は約5.25%で落ち着いており、当分の間、この水準が維持され、21年には5.00%弱に低下する」との楽観的な見方を示している。
賃金の見通しについては、「賃金の伸びは当面、弱い状態が続き、インフレ率も2−3%上昇の物価目標の範囲内で持続する必要があるものの、全体的にみて、最近の動向は豪州経済が低水準の失業率と自発的離職率を達成することができることを示している」と先行きについて楽観視している。
また、RBAは、「世界の多くの中銀が金融を緩和した結果、世界の金利は低水準となっている。さらなる金融緩和期待は(前回会合時から)この1カ月間で後退しており、金融市場のセンチメントもやや改善した」とし、景気刺激策のための追加利下げの必要性が後退したとしている。さらに、「豪州でも企業や家計の借り入れコストも過去に水準比べて低い水準にあり、豪ドルも過去の相場変動のレンジで見ても低水準にある」とも述べ、景気の先行きにとってプラス材料が見られるとした。
さらに、前回会合に続いて、「今年前半のオーストラリアの経済成長率は18年後半よりもやや高く、(今後は景気が徐々に強まっていく)転換点を迎えたようだ」とした上で、19年の成長率は約2.25%増となり、その後、徐々に成長率が高まり、21年には約3%増になるとの見通しを示した。また、前回会合時と同様、「低金利水準や最近の減税、継続中の公共投資支出、一部の地域(メルボルンやシドニー)で住宅価格が上向いてきたこと、さらには資源セクターの見通しが明るさを増してきたことにより、オーストラリア経済成長が下支えされる」とも述べ、低金利の効果を強調した。
ただ、RBAは、前回会合時と同様、「世界経済の先行き見通しに対するリスクは下ブレだ」とし、世界経済の減速懸念を示す一方で、国内経済についても前回会合時と同様、「主に国内経済の不確実性は個人消費の見通しだ。家計の可処分所得は緩やかな伸びが続いており、消費支出の重石となっている」と述べ、景気リスクが残っているとの見方を据え置いた。
インフレの現状認識については、「7−9月期のインフレ率は前年比1.7%上昇と、概ね予想通りとなった」として上で、「インフレ率は徐々に緩やかに加速していく。全体指数とコア指数はいずれも20年と21年は2%上昇に近い水準になる」との見通しを示した。前回会合時では「全体指数とコア指数はいずれも20年は2%上昇をやや下回る水準、また、21年は2%上昇よりやや高めになる」としており、21年の見通しを下方修正(悪化)している。
今後の金融政策スタンスについては前回会合時と同様、「完全雇用と物価目標を達成するためには、当分の間、低金利を続けることが必要だ」とし、「われわれは雇用市場を注視し、もし景気拡大の持続と完全雇用、物価目標の達成を支える必要があれば、さらに金融政策を緩和する用意がある」と追加利下げに含みを持たせた。
市場では20年初めの追加利下げを予想しており、ゼロ%近くになれば、量的金融緩和の可能性が高まるとみている。
次回会合は12月3日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




