金融・経済ニュース
ECB、政策金利を市場予想通り据え置き―ドラギ総裁退任前最後の会合
2019-10-25 10:28:00.0
<チェックポイント>
●「物価目標に収束するまで政策金利は現状かそれ以下」の文言維持
●量的金融緩和を11月から月200億ユーロ買い入れで再開へ
●ECBは依然、金融政策手段を調整する用意がある―ドラギ総裁
ECB(欧州中央銀行)は24日の定例理事会で、主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%に、下限の中銀預金金利をマイナス0.50%に、上限の限界貸出金利を0.25%に、いずれも据え置くことを決めた。
ECBは声明文で、前回9月会合時と同様に、「今後は経済予測の期間中、インフレ見通しが2%をやや下回る水準(物価目標)に十分に収束するまで、ECBの政策金利は現在の水準か、または、それ以下になることが予想される」と指摘し、利下げを継続する可能性を示唆した。
さらに今回の会合では、9月会合で決めた、非伝統的手段である資産買い入れプログラム(APP)による量的金融緩和(QE)を再開することも確認した。11月1日から新たに月200億ユーロのペースで資産買い入れを実施する。ECBは18年12月、経済大国ドイツがQEによって人為的に長期金利が引き下げられることによりイタリアなど重債務国への財政健全化圧力が弱められているとの批判を受けて、APPを終了していた。
国債買い取りについては、すでにECBは19年3月に景気刺激策として、APPによる量的金融緩和を満期償還金の再投資だけで継続する方針も決めており、今回の会合でもこの既存の買い取り制度に関する方針を据え置いた。
ECBが利下げに言及する背景にはユーロ圏のインフレ率が長期にわたって物価目標を下回り続けていることがある。最新の9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP、消費者物価指数から医療費や持ち家コストなどを除いたユーロ圏の統一インフレ指標)は前年比0.8%上昇と、8月の同1%上昇や7月の同1.1%上昇、6月の同1.3%上昇、5月の同1.2%上昇から一段と低下し、物価目標を大幅に下回っている。
今回の会合が最後となったドラギ総裁は会合後の記者会見で、ユーロ圏経済について、「ユーロ圏経済の見通しは依然、下ブレリスクがある」とした上で、「ECBは景気の姿を変えるため、金融政策手段を調整する用意がある」と述べ、一段の景気刺激策を講じる可能性を示唆した。
しかし、その一方で、同総裁は、「インフレ率を物価目標に近づけるには十分な金融緩和が必要になっているが、ユーロ圏の加盟国の中で、財政政策の調整余地がある政府はもっと自国の景気を刺激するため、適時適切に対応すべきだ」とデフレ脱却とユーロ圏経済の回復にはECBの金融政策だけでは効果に限界があるとの見方を示した。
次回の金融政策決定会合は12月12日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




