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米9月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比13.6万人増―市場予想下回る
2019-10-07 10:55:00.0
<チェックポイント>
●非農業部門雇用者数伸び鈍化も7月・8月分上方改定
●平均時給は前年比2.9%増と、8月の同3.2%増から鈍化
●失業率は3.5%と、前月の3.7%から低下
米労働省が4日発表した9月の新規雇用者数(非農業部門で軍人除く、季節調整済み)は前月比13万6000人増となり、8月の同16万8000人増から伸びが鈍化し、市場予想(15万人増)を下回った。
市場では、米中貿易摩擦の悪影響を受け、米経済の成長率が3%増から2%増のペースに減速していることが雇用者数の伸び鈍化につながったとみている。
今回の統計結果を受け、ニューヨーク債券市場では長期金利の指標である10年国債の債券価格と反対方向に動く利回りが発表直後0.013ポイント上昇の1.549%となり、利下げ圧力が後退した。市場では7月と8月が計4万5000人も上方改定されたあと、13万6000人増となったことや、失業率が3.5%に低下したことから雇用市場は堅調で、ゴルディロックス(適温状態)になっているとみている。
政策金利の誘導目標であるFF(フェデラル・ファンド)金利先物を取引しているシカゴ・マーカンタイル取引所では10月FOMC(米連邦公開市場委員会)での0.25ポイント利下げ確率は統計発表前の約90%から発表後は80.7%に急低下した。ただ、年内の利下げ確率は依然91%を超えている。
また、今回の統計で7月と8月の雇用者数が計4万5000人も上方改定されたことは支援材料となる。7月は前回発表時の前月比15万9000人増から同16万6000人増に、8月も同13万人増から同16万8000人増に、いずれも上方改定された。
9月非農業部門雇用者数の内訳は、民間部門が前月比11万4000人増と、8月の同12万2000人増(前回発表は同9万6000人増)や市場予想の同12万人増をやや下回った。これは貿易摩擦の影響で、民間企業が主に輸出需要の減少を受け投資を抑制したためで、7−9月の過去3カ月間の雇用者数の月平均は11万9000人増と、7年ぶりの低水準となった。業種別では、建設業が同7000人増と、前月の同4000人増から伸びが2カ月連続で加速した一方で、製造業は同2000人減と、前月の2000人増から減少に転じ、サービス業も同10万9000人増と、前月の12万1000人増から伸びが鈍化。特にサービス業のうち、小売業は同1万1400人減と、8カ月連続で減少が続いている。政府部門も同2万2000人増と、8月の同4万6000人増を大幅に下回った。
一方、失業率は3.5%と、8月の3.7%から0.2ポイント低下し、市場予想の3.7%を下回った。また、労働市場への参加の程度を示す労働参加率(軍人を除く16歳以上の総人口で労働力人口を割ったもの)は63.2%と、8月と変わらず、13年8月以来6年ぶりの高水準が続いている。
市場が注目していた賃金(平均時給)の伸びは前月比横ばい(0.04%減)となり、8月の同0.4%増や市場予想の同0.3%増を下回った。一方、前年比は2.9%増と、約1年ぶりの低い伸びとなり、市場予想の同3.2%増から伸びがやや鈍化した。低失業率で健全な経済状況でみられる3.5−4%増を下回り、緩やかな伸びにとどまっている。現在と同じようなタイトな雇用状況だった1990年代や2000年代初頭でも賃金上昇率は約4%増だった。
8月コアCPI(消費者物価指数)が前年比2.4%上昇だったことを考慮すると、実質賃金の伸びはわずか0.5%増と、低い伸びが続いている。
<関連銘柄>
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提供:モーニングスター社




