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米8月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比13万人増―市場予想下回る
2019-09-09 13:46:00.0
<チェックポイント>
●非農業部門雇用者数の伸び鈍化は米中貿易摩擦の悪影響と米経済減速を反映
●平均時給は前年比3.2%増―7月の同3.3%増を下回る
●8月失業率は3.7%と変わらず
米労働省が6日発表した8月雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比13万人増と、7月の同15万9000人増から伸びが鈍化し、5月(6万2000人増)以来3カ月ぶりの低い伸びとなった。市場予想(17万1000人増)も大幅に下回った。
市場では、米中貿易摩擦の悪影響を受け米経済の成長率が3%増から2%増のペースに減速しているとの見方が強まっており、米経済のリセッション(景気後退)懸念に注意を払う必要が出てきた。
今回の統計結果を受け、ニューヨーク債券市場では長期金利の指標である10年国債利回りが発表後に0.056ポイント低下の1.548%となった。
市場では、GDP(国内総生産)伸び率を2%増(4−6月期GDP伸び率は2.1%増)に維持するため、次回9月17−18日FOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げが必要との見方が広がってきている。
今回の統計で6月と7月の雇用者数が計2万人も下方改定されたことは悲観材料だ。6月は前回発表時の前月比19万3000人増から同17万8000人増に、7月も同16万4000人増から同15万9000人増に、いずれも下方改定となった。
8月非農業部門雇用者数の内訳は、民間部門が前月比9万6000人増と、7月の同13万1000人増(前回発表は同14万8000人)を大幅に下回り、市場予想の同14万5000人増を大幅に下回った。一方、政府部門は同3万4000人増と、7月の同2万8000人増を上回った。民間部門では特に建設業が同1万4000人増と、前月の同2000人減から伸びが急回復した。一方、製造業は同3000人増と、前月の4000人増から伸びが減速した。サービス業も同8万4000人増と、前月の13万3000人増から伸びが鈍化。特にサービス業のうち、小売業は同1万1100人減と、7カ月連続で減少が続いている。
一方、失業率は3.7%と7月と変わらず、市場予想とも一致した。また、労働市場への参加の程度を示す労働参加率(軍人を除く16歳以上の総人口で労働力人口を割ったもの)は63.2%と、7月の63%を上回った。
市場が注目していた賃金(平均時給)の伸びは前月比0.4%増と、7月の同0.3%増と市場予想の同0.2%増を上回った。一方、前年比は3.2%増と、7月の同3.3%増から伸びがやや鈍化したが、市場予想の3.1%増を上回った。
しかし、低失業率で健全な経済状況でみられる賃金の伸び3.5−4.0%増を依然下回っており、緩やかな伸びにとどまっている。現在と同じようなタイトな雇用状況だった1990年代や2000年代初頭でも賃金上昇率は約4%増だった。7月コアCPI(消費者物価指数)が前年比2.2%上昇だったことを考慮すると、実質賃金の伸びは1%増と、依然低い伸びだ。
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提供:モーニングスター社




