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ジョンソン英首相の根回し外交で独仏軟化、合意なきEU離脱回避の可能性も
2019-08-28 14:13:00.0
8月27日時点では、英最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首が保守党のEU(欧州連合)残留支持派の造反議員を含む超党派で、9月3日の議会休会明けにもジョンソン英首相に対する不信任動議を下院に提出する計画を進めている。もし可決されれば、コービン党首はエリザベス女王の権限でジョンソン首相を解任し直ちに管理内閣を樹立し、2度目の国民投票を実施することで合意なきEU離脱(ノーディール・ブレグジット)を阻止する考えだ。一方、ジョンソン首相は不信任動議が可決されてもすぐには辞任せず、10月末のEU離脱後の11月3日に解散総選挙に打って出るという観測が広がっている。
また、ロブ・ウィルソン元下院議員は英紙デイリー・テレグラフ紙の8月2日付コラムで、8月1日の下院補欠選挙の結果について、「保守党が得票率で2位だったということは、ブレグジットを巡り賛否両論で割れている選挙区(ウェールズのブレコン・ラドナーシャー)で、ジョンソン首相が10月末EU離脱を争点に保守党支持の有権者を選挙へ引き戻すことができたことを意味する。しかも、今後の選挙で保守党を脅かす存在となるブレグジット党の欧州議会選挙での破竹の勢いを止めたことは幸先が良い」と述べ、必ずしも悪いことばかりではないと指摘する。
テレグラフ紙は7月29日付の社説で、ジョンソン政権が短命かどうかは今後のEUとの離脱協議に大きく関わると指摘した。ギリシャのヤニス・バルファキス元財務相が15年の債務危機当時、EUからの金融支援を求め協議に明け暮れた日々を記述した回顧録を引用し、「EUに金融支援を求めたが助けてもらえず、反対に脅され、すごすご帰るしかなかった。バルファキス元財務相は英国がEUと協議しても同じ結果になるとアドバイスしている」という。
また、社説では、「ジョンソン首相は10月末のEU離脱前にEUと協議する考えはない。その前に協議する場合は全く新しい離脱協定についてEUが協議に応じる場合としているからだ。EUは離脱協定を変更せず、EUとの将来の貿易関係を規定した政治宣言だけに留めたい考えだが、ジョンソン首相は、メイ前首相がEUと合意した離脱協定案から、いわゆるバックストップオプション条項(EU離脱後も北アイルランドにEUルールを合致させることでハードボーダーを避けるという解決方法)の削除を求めており、お化粧直し程度の修正は望んでいない。もし、そんなことをすれば、ジョンソン政権は短命に終わる」との見解が示されている。
ジョンソン首相が8月21日から22日にかけて、ドイツとフランスを相次いで歴訪し、EU離脱協議の再開の根回し外交を展開した。その結果、マクロン仏大統領はジョンソン首相との会談で、メイ前首相との間で合意したEU離脱協定を見直し英国がEUをディールで離脱できるようにしたい考えを示し、メルケル独首相もEU離脱協定の再協議に応じる考えを表明したことから、ノーディール・ブレグジットが回避される可能性が出てきた。これは英議会で労働党を中心とした超党派による首相不信任動議の提出が見送られ、その結果、解散総選挙も回避されることを意味する。
提供:モーニングスター社




