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金融・経済ニュース

ジョンソン英首相待望論高まる中、存在感を増すブレグジット党

2019-07-11 12:13:00.0

 英国ではEU(欧州連合)強硬離脱派のボリス・ジョンソン前外相の首相待望論が高まる一方で、ジョンソン首相が誕生した場合、同首相の下で直ちに解散総選挙に向かうという論調が出始めた。

 英紙デイリー・テレグラフは6月16日付で、「ジョンソン氏は首相就任後、解散総選挙に打って出る。保守党最大の後援者団体(ミッドランズ・インダストリアル・カウンシル)は10月末のEU離脱を確実にするため、新党のブレグジット(英EU離脱)党と選挙区調整に入った」とスクープした。これは5月23日に行われた欧州議会選挙で大勝したブレグジット党と保守党との政権協力の可能性を意味する。

 ブレグジット党はUKIP(英国独立党)の党首だったナイジェル・ファラージ氏が率いる新党で、欧州議会選挙では、結党わずか6週間で得票率31.6%、29議席を確保し第一党となった。次いで2度目の国民投票を目指す自民党(16議席)と労働党(10議席)が続き、与党・保守党は得票率9.1%、4議席と、一気に15議席も失い、緑の党(7議席)を下回る第5位に転落している。

 事実上の次期首相を選ぶ保守党の党首選はノーディール(合意なき)離脱か、またはディール(合意)離脱かが争点となっているが、欧州議会選挙でブレグジット党が躍進したことは、多くの有権者がノーディール・ブレグジット(合意なきEU離脱)を支持していることを意味する。

 ブレグジット党は次の総選挙に参戦する意向だが、6月16日付の英紙サンデー・タイムズの世論調査では、総選挙での党派別支持率はブレグジット党が24%でトップとなり、保守党と労働党は21%で同率2位だった。

 また、テレグラフ紙の6月22日の世論調査では、党首選挙に投票する保守党の地方議員の61%がジョンソン氏、39%がEU残留支持派のジェレミー・ハント外相を支持。また、80%がノーディールを支持し、77%が離脱日の延長に反対した。さらに、62%がブレグジット党との選挙協力に賛成している。このように、テレグラフ紙が5月5日付社説で政局再編のシナリオについて、「新党ブレグジット党が保守党と労働党の2大政党の間を縫って急浮上する」と指摘したほど、ブレグジット党の存在感が増している。

 ブレグジット党のファラージ党首は6月18日、テレグラフ紙の公開インタビューで、ジョンソン氏が勝利した場合の保守党との政治協力について、「ジョンソン氏の内閣に対する不信任案が議会で可決された場合、クリーンブレグジット(EUの関税同盟や単一市場へのアクセスから完全に離脱)を求めて解散総選挙をする覚悟があれば、保守党と政治協定を結ぶことはありうる。その時にはジョンソン氏は議会で過半数を占め、返り咲くだろう」と言い切った。

 しかし、保守党のウィリアム・ヘイグ元党首はテレグラフ紙の6月24日付コラムで、「保守党では党首を最終的に決めるのは一般有権者である16万人の党員だ。絶対に自分は勝つと慢心する大本命を嫌う。(慢心すれば)ジョンソン氏にノーという答えを突き付ける」と警告している。前回17年の総選挙で地滑り的勝利を確信していたメイ首相や16年の米大統領選で有望視されたヒラリー・クリントン議員も一敗地に塗れた教訓を忘れてはならないと戒める。

提供:モーニングスター社