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RBA、市場予想通り政策金利を1.00%に引き下げ―2会合連続利下げは7年ぶり
2019-07-02 16:16:00.0
<チェックポイント>
●「持続的な経済成長と物価目標達成のため金融政策を調整」と追加利下げ示唆
●コアインフレ率見通しを「20年約2%上昇」に据え置き
●2会合連続利下げの効果を見るため、利下げ一時休止余地あり―市場観測
豪準備銀行(RBA、中銀)は2日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)を0.25ポイント引き下げ、過去最低の1.00%とすることを決めた。市場予想通りだった。2会合連続の利下げは12年5−6月以来7年ぶり。
RBAは政策決定会合後の声明文で、追加利下げに踏み切った理由について、前回会合時と同様、「雇用の伸びを支えるため」とし、金融政策の重点を景気刺激にシフトすると同時に、インフレ率が物価目標(2−3%上昇)を下回りデフレ状況が続いていることから、「利下げによってインフレ率が今後、中期の物価目標に向かって加速していく見通しをさらに確かなものにするため」と景気・雇用拡大によるデフレ脱却の必要性を改めて強調した。
豪州経済は回復ペースが緩やかとなっている。6月5日に発表された最新の豪州1−3月期GDP(国内総生産)伸び率は前期比0.4%増と、前期の同0.2%増から持ち直したものの、市場予想の同0.5%増を下回った。
RBAは声明文で、こうした弱い1−3月期GDP伸び率について、「住宅価格の下落と賃金の低い伸びが民間消費を低迷させた」と懸念を示した。
景気の先行きについては、「豪州経済は適切な状況にあり、経済成長はほぼ経済予測(19年と20年の成長率見通しを約2.75%増と予測)通りとなる」とし、前回会合時の見通しを据え置いた。
しかし、景気下ブレリスクについて、前回会合時と同様、「景気の先行きが不透明となっている主な国内要因は家計消費の見通しだ」とし、家計消費と住宅価格の下落が景気下ブレリスクになっているとの見方を据え置いた。さらに、RBAは、「利下げによって、経済の余剰生産能力(spare capacity)にメスを入れることができる。失業率を早期に低下させ、インフレ率を物価目標に向かって加速させるのに役立つ」との文言を据え置いた。
雇用市場の現状認識については、前回会合時と同様、「雇用の伸びは強く、労働市場への参加も過去最高水準にあり、求人倍率は高い。一部地域では熟練労働者が不足している」としたが、「こうした(雇用市場の)動向にもかかわらず、最近の雇用市場の余剰労働力はほとんど減少していない。失業率は5.2%(4月と5月)にやや上昇している」と述べ、失業率の低下が困難になっており、賃金上昇とインフレを急速に加速させるといわれる完全失業率(5%)を超えたことに懸念を示した。
インフレの現状認識については、今回の会合でも、「経済全般にわたってインフレ圧力が抑制されていることを示す」とし、デフレ懸念を示した。ただ、「4−6月期は原油価格の上昇でインフレ率が加速する」と予想。その上で、「経済予測シナリオでは、コアインフレ率は20年に約2%上昇、その後は2%上昇よりやや高めになる」との見通しを据え置いた。
また、インフレ加速要因となる賃金の見通しについては、「ここ1年間の強い雇用市場のおかげで、民間セクターの賃金の伸びがやや加速している。ただ、全体の賃金の伸びは依然低い。雇用市場が強まるにつれて賃金はさらに伸びるものの、ゆっくり徐々に進むとみられる」と、前回会合時と同様に述べ、「これは歓迎すべきことだ」とした。
金融政策の見通しについては、「雇用市場の動向を引き続き注視し、持続的な経済成長を支えるため、また、インフレ率の物価目標を達成するため、金融政策を調整する」と追加利下げに含みを残した。
ただ、市場では米中貿易協議が再開される見通しとなったことや、豪州の住宅価格が安定し始めたことから、2会合連続の利下げの効果を見るため、利下げを一時休止する余地が出てきたとみている。
次回会合は8月6日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




