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金融・経済ニュース

米5月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比7.5万人増に急減速―貿易摩擦激化で景気懸念強まる

2019-06-10 09:30:00.0

<チェックポイント>
●建設業とサービス業が急減し全体押し下げ―製造業も自動車中心に鈍化

●平均時給は前年比3.1%増と、4月の同3.2%増から鈍化

●失業率は3.6%と変わらず

 米労働省が7日発表した5月雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比7万5000人増と、急減した2月(同5万6000人増)以来3カ月ぶりの低い伸びとなった。また、市場予想の同18万人増も下回った。

 また、3月分と4月分が下方改定。3月が前回発表時の前月比18万9000人増から同15万3000人増に、4月も同26万3000人増から同22万4000人増に、いずれも大幅な引き下げとなった。

 雇用統計の弱い結果は米中貿易摩擦の長期化やメキシコとの貿易摩擦が激化し、米国経済に悪影響を与えることが懸念される中、経営者は積極的な雇用を控え始めた兆候といえる。市場では米経済のリセッション(景気後退)懸念が再燃。景気刺激のための年内利下げを織り込む形で、10年債利回りが一時、0.063ポイント低下の2.060%と、17年9月以来21カ月ぶりの低水準となった。

 5月の雇用者数の内訳は、民間部門が前月比9万人増と4月の同17万9000人増(前回発表は同23万6000人増)を大幅に下回り、市場予想の同17万人増を8万人も下回った。一方、政府部門は同1万5000人減と、4月の同1万9000人増からマイナスに転じた。民間部門では特に建設業が同4000人増と、4月の同3万人増から伸びが急速に鈍化。製造業も自動車業界の人員削減の影響により同3000人増と、4月の同5000人増から伸びが鈍化。サービス業も同8万2000人増と、4月の17万人増の半分の伸びとなった。サービス業では小売業が同7600人減と、4カ月連続で減少が続いている。

 一方、失業率は3.6%と4月と変わらず、1969年12月の3.5%以来49年5カ月ぶりの低水準を維持した。

 また、市場が注目していた平均賃金の伸びは、前月比0.2%増と、4月と同じ伸び率にとどまったが、市場予想の同0.3%増を下回った。このため、前年比は3.1%増と、4月の同3.2%増から伸びが鈍化し、18年9月以来8カ月ぶりの低い伸びとなった。

 5月雇用統計発表前の4日、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は金融政策の運営に関する会合で、「貿易摩擦協議の動向が米国の経済見通しに与える影響を注視し、経済成長を持続させるため、力強い雇用市場とシメントリック(上下が対称)な2%上昇の物価目標の達成に向け適切な行動をとる」と述べ、中国やメキシコとの貿易摩擦の悪影響に言及した。

 特に、パウエル議長の発言で注目されたのは、これまで頻繁に用いられてきた「金融政策の決定に対し、辛抱強く(patient)対応する」との文言を使わなかったことだ。これを受け、FF(フェデラル・ファンド)金利先物市場では年末までに少なくとも1回の利下げ、また、20年1月までに計3回の利下げを織り込み始めた。

<関連銘柄>
 NASD投信<1545>、NYダウ投信<1546>、上場米国<1547>、
 SPD500<1557>、NYダウ<1679>、NYダウブル<2040>、
 NYダウベア<2041>

提供:モーニングスター社