金融・経済ニュース
RBA、市場の予想通り政策金利を1.5%に据え置き―30会合連続
2019-05-08 09:40:00.0
<チェックポイント>
●19年と20年の経済成長率を約2.75%増に下方修正―前回は19年を3%増と予想
●コアインフレ率見通しを「19年1.75%上昇、20年2%上昇」にいずれも引き下げ
●短期的に利下げの可能性高まる―市場観測
豪準備銀行(RBA、中銀)は7日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)を市場の大方の予想通り、過去最低水準である1.50%に据え置くことを決めた。16年9月に据え置きに転じて以降、これで30会合連続の現状維持となる。ただ、市場の一部では利下げを予想する向きもあった。
中銀が金融政策を据え置いた背景にはインフレ率が物価目標(2−3%上昇)を下回り、低水準が続いていることがある。中銀は会合後の声明文で、「3月のインフレ率は大幅に予想を下回りインフレ圧力が低下していることを示す」と述べている。3月のインフレ率の全体指数は前年比1.3%上昇、コアインフレ率は同1.6%上昇となった。
インフレ見通しについては、「今後、インフレ率の上昇が予想されるが、緩やかなものになる。経済予測の標準シナリオではコアインフレ率は、19年が1.75%上昇、20年は2.00%上昇、それ以降は2.00%上昇を超える。全体のインフレ率は原油高で19年約2.00%上昇になる」とし、前回4月会合時の「インフレ率は19年2%上昇、20年2.25%上昇」との見通しをいずれも0.25ポイント引き下げた。
また、インフレ加速要因となる賃金の見通しについては、前回会合時と同様、「強い雇用市場のおかげで、賃金の伸びがやや加速している。雇用市場が強まるにつれて賃金はさらに伸びるものの、ゆっくり徐々に進むとみられる」とし、インフレ加速懸念は示さなかった。
しかし、今回の会合では、「豪州経済はまだ全体で余剰生産能力(spare capacity)がある」と指摘。さらに、「インフレ率が物価目標に戻るには雇用市場が一段と改善することが必要だ」と述べ、失業率の一段の低下が必要との見方を示した。また、経済が供給過多の状況にあるとし、経済の需要喚起の必要性も指摘し、将来の利下げに含みを残した。
市場ではこの日発表された豪3月小売売上高に注目した。結果は前月比0.3%増と、市場予想の同0.2%増を上回ったものの、2月の同0.9%増から伸びが大幅に鈍化。これを受け、市場では短期的には利下げの可能性が高まったとみている。金利先物市場では豪州の政策金利が引き下げられる確率は36%となっている。
景気の先行き見通しについては、「19年と20年の豪州経済の成長率見通しは、民間設備投資と資源セクターの回復により、約2.75%増となる」とし、前回会合時の3.0%増から下方修正した。2月会合で19年の成長率見通しを3.5%増から3.0%増に下方修正し、3月と4月の会合でもこの予想を据え置いていた。
また、景気下ブレリスクについては、前回会合時とほぼ同様に、「景気の先行きが不透明となっている主な国内要因は家計消費の見通しだ。低い所得の伸びが長引くことや住宅価格の下落を反映している」とし、家計消費と住宅価格の下落が景気下ブレリスクとの見方を維持した。
雇用市場の現状認識と見通しについては、「失業率は約5%の水準で安定しており、来年までこの水準は変わらない」とし、前回会合時の失業率4.9%から下方修正した。ただ、今後の見通しについては、前回会合時と同様、「21年には4.75%やや低下する」とし、「求人倍率は依然として高い。一部地域では熟練労働者が不足している」との文言を据え置いた。
4月18日に発表された豪3月雇用統計によると、失業率(季節調整後)は5.0%と、2月の4.9%を上回り、1月や18年12月の5.0%に逆戻りした。賃金上昇とインフレを急速に加速させるといわれる完全失業率(5%)と一致しているものの、「過去6カ月の失業率の一段の低下が見られない」と指摘。その上で、「こうした景気判断に基づいて、われわれは、今後の雇用市場の動向を注視していく」と述べ、インフレが物価目標に向かって加速するには雇用市場の一段の改善が必要と結論付けている。
次回会合は6月4日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社




